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栃木県宇都宮市の空間プロデューサーの日々報告
当社「空間プロデュース ビルススタジオ」は名刺を大切にしています。
以下、これまでの名刺です。

下に置いてあるものから奥から手前に向って新しいものです。
最初はピラの両面。
次に白黒で当社ロゴである三角形をかたちづくりました。
あいさつ時に名刺入れから取出し、1人1人立体化してから手渡します。
若干まどろっこしいのですが、今ではひと流れの所作です。
更に当社カラーのエンジにて1色刷り。
そしてこの2月より、新たな手法に変えました。
それが一番手前のものです。
写真では一見、全く変わっていません。
しかし、、、


そう、ハンコなんです。
とうとう作ってしまいました。

たかが名刺とはいえ、されど名刺。
人に最初に手渡す、手土産みたいなものです。
その手土産にはその渡す人の人と成り、想い、センスが出ます。
僕はそこに自己主張だけではなく、
なにか相手にも関わる基本姿勢のようなものを「滲ませる」ことができないかと。
結果、1枚1枚手作業にて押し、作成する<ハンコ>となったのです。
印刷で業者まかせでひたすら量産されるのではなく、
同じ紙に全く同じ絵を、全く違う趣味趣向をもつ方々に押し付けるのではなく、
1つ1つの特殊解を「いい押し具合で」創り出していければ。
実は只のこじつけであり、自己満足なんだけど、
名刺ひとつにしても、気持ち良く渡したい。気持ち良く渡せる時間をつくりたい。
そんな感じです。

ハンコ製作を手掛けたのは、JR宇都宮駅前にある鈴木印舗さん。
いや、プロ意識の塊です。
文字の小ささや図まで入ってと、かなり無茶な注文をしたのですが、
挑戦してみましょう、と。
そして思った以上に質の高い出来に興奮しました。
こういう意識の高い専門職の方と出会えたことが実は一番の収穫だったりします。
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ふじようちえんです。
この記事で「見に行ってみないとちゃんとした評価が言いにくい建物です」と書いた手前、
見てきました。
いやいや、これは相当ハッピーな仕事です。

小1時間程ですが時間外にも関わらず、
幸運にも園長さんの案内の元、園内を巡らせて頂きました。

この園長さん、非常に気さくな方なのですが、
子供の教育法、といっても机上のものではなく、
「人間って本来そうやって育つもんだ」という信念を明確に持っていて
かつ、自分の言葉でシンプルに人に伝えられる方です。
明確で本質的な信念とそれが実行できる覚悟を持ち合わせた方でした。
こういう方と出会う事が僕のような仕事をしてる者にとって物凄く重要で、
それよりもこういう方に認めてもらう存在になることがその前に重要でして。
物凄く刺激を受け、濃密な時間を頂けました。

いうなればこの幼稚園はこの園長さんの信念を「ただ」形にしただけなのです。
しかし日常建築業務に関わっている僕にとって、それがどんなに困難なことか。。。
サッカーでも他の業種でもなんでもそうだけど、
「当たり前の事を当たり前のようにやる」ことがなによりも一番難しいことです。
子供の問題、父兄の問題、コストの問題、法規的問題、安全面の問題、
そして「子供が何をどのように学んでいくか」という問題 等々。。。
問題と言ってしまうと本当に問題になってしまいますが、
そうは思わせない建物であり、関わった人達の関係性であり、それが創り出した空気感があります。
ということは、園長さんの相当な覚悟が必要なことを伺わせます。
今はなんやかんやと、とにかく安全で、とにかく衛生的で、とにかく楽ちんで、
どこにいても何もしなくても平等に陽が当たって風が通って、
だれもがそれなりに「快適である」ことが求められます。
ましてや幼稚園では、園児が転んでもケガしないようにとか、園庭の土を食べてもお腹を壊さないようにとか、暑さ寒さで身体に刺激を与えないようにとか、「守る」ことばかり考えられているように思われます。
でも危ない事をすればケガするし、自分で気をつけないとカゼをひくのは当たり前の事。
そうやって当たり前の事を学んでいくことがイヤなら、自分の幼稚園を選択しなければいい、
という考えの方です。そりゃそうです。
でもこの幼稚園を選択する理由もはっきりしています。それが重要なこと。
ウリのはっきりしない幼稚園は、
園舎を原色にしたりバスに凝ったり形ばかりの食育に走ったりと、見た目や響きの良さを重視した、
「大人が思う子供が好きそうな/子供に良さそうな感じ」に仕立て上げます。
これは子供にとってはさほど重要でないことに思えます。
「当たり前の日常を自分なりにどのように対応していくか」を学ぶべきではないか。

全てが直感的に理解できるつくりになっています。
実際にみてみると、大人であれば「そりゃそうだろう」と思う内容かもしれませんが、
子供にとってみれば、「こうするとこうなるからこうする」ということが
1対1で理解できるわけです。
「ヒモを引けば電気が通って電球が点く」「水を出すと足が濡れるから蛇口を閉める」
「風が入って寒いから窓を閉める」「秋になると気温が下がるから紅葉する」とか、
各所にある様々な機能が「理解する装置」と化しています。

建築的には歪んだ楕円形で、行き止まりのない空間が続きます。
屋根も同様。所々に既存のケヤキの大木が突き抜けています。。。
とかなんとかの説明は、この建物ではあまりしたくないのが正直なトコです。
僕が本当に見たかったのは、ここで巻起こる空間と人の関係です。
園児が、父兄が、近所の人が、先生が、そして園長さんが
どのようにこの空間と関係しながら過ごしているか。
今度はそれを体感しに伺おうと思います。

僕はどんなに綺麗で、かっこ良くて、斬新な建物を見ても基本的に何とも思いません。
でもこの建物のように、関係者が深く深く絡んで、
本質を追求し合ってこそ出来上がる空間があると、悔しさを覚えます。
今はまだこのような仕事を託してもらえないレベルにいる自分への悔しさ/もどかしさを堪能します。
8月末ですが、東京ビッグサイトで開催された、グッドデザイン賞プレゼンテーション会場に行ってきました。
もちろんただの観客としてですが。

これは「1.良いデザインであるか」を基準に対象商品を審査し、 さらに「2. 優れたデザインであるか」 「3.未来を拓くデザインであるか」の2点において優れているポイントを明らかにします。
商品デザイン部門・建築・環境デザイン部門・コミュニケーションデザイン部門・新領域デザイン部門の計1,043件の受賞品がずらーーーーーーーーっと並んでいまして、
その中から後程15の特別賞/大賞が決定される訳です(もう結果は出てます)。
とても全部は見切れないので、僕は建築デザイン→新領域デザイン→コミュニケーションデザイン→商品デザインの一部といった順にて見てきました。

言わずと知れた、「ふじようちえん」
ディレクションを、これまた言わずと知れた佐藤可士和
建築設計を、またまた言わずと知れた手塚夫妻が行っています。
屋上がデッキになっている楕円の園舎と囲まれた中庭が密接に関係する幼稚園となってます。
これは見に行ってみたいというか、メディアに出まくっているせいか、
見に行ってみないとちゃんとした評価が言いにくい建物です。

とある物販店インテリアデザイン。
ジャングルジムのように1,2階をつなぐ立体格子が店舗に必要な様々な要素を受入れてます。
デザイナーからは何も意味を固定せず、利用者に使い道を開くいい一例だと思います。

2件の隣り合った木造住宅を「隙間」側に開き、繋げています。
壊すでもなく、既存がすばらしい建物なわけでもなく、だけど
住まい手の関係性を最小限の操作で気持ちの良いものに変えるってことです。
手広くなってしまった住宅の減築、2世帯同居の様々な関係性、半ば古びてしまった建物の再価値付け、職住隣接の心理的距離感の必要性、退職後のライフスタイル、建物的には過密になってしまった戸建て地域の利用法等々、、、不動産的価値変動、個人的価値変動を上手く結び付ける必要性に迫られている時代になっているのでしょう。

 雑誌棚。オフィスはもちろん、家でもいいかも知れません。
人によっては、書籍購入のほとんどが雑誌になっている場合も多いと思います。
僕もその1人です。雑誌って、読んだら捨てるものを多いけど、特集によって買っているので、結構残しておきたいものが多い。更に、一度にいくつも雑誌を読まなくちゃいけなかったりします。本棚に入れると滑り倒れてしまったりして納まりがどうも悪い。雑誌は表紙が命。背表紙をみても楽しくないし内容がさっぱりわかりません。本屋さんでも表紙見せて売っています。「薄さ」「表紙重視」「手軽な入替え」という雑誌の特徴をシンプルに解決する1方向を示す棚です。
 右は名古屋(?)駅地下通路における照明デザインです。長くて退屈な地下通路を人の動きに反応する照明システムにて刺激することにより、ただの通過空間がいち目的地として意識付きます。小さな目的地が近い距離で繋がっていくことで、歩いていて楽しいエリアになってきます。

我がWILLCOMの展示ブースです。
皆ワキの下から覗き込んでいますが、中に入れないようになってるんです。携帯電話展示なのに触って試せない。なんか気になる商品があっても見るだけです。なんともサディスティックな展示。内容はよくわからないけど、印象度はバツグン。ひねくれ好きのWILLCOMファンにはいいのかな。通常の企業展示会でなく、この賞の観客に対しては商品展示よりも印象効果。あ、その通りです。

これはゴミ袋。3種分別の例です。ゴミ袋が積み重なっている風景をもっとチャーミングにしてみよう、と。行政にアートディレクター的な人がいると、こういった楽しい解決法がバンバンでてくるのでしょうね。

最後に僕が一番ぐっときた製品がこちら。

「社交ダンス練習用ロボット」
つっこみどころが多すぎて、何から触れればいいのやら。。。

僕はICC(初台)が大好きで、テクノロジーって楽しいもんだと思っています。
全ての技術が機能性だけを目指すのはおかしいことです。
マニアにはたまりませんけど。マニア心は皆が持っているものでもない。
もともと科学技術は、人間の持つ動物的「欲」から目覚ましい発展を遂げた訳です。
もっと言ってしまえば、独占欲と性欲。
本能的に誰もがもっている欲望というか、「悦び」をいかにしてして達成するか。
この達成に向っては、人は意外と手間を惜しみません。
そして誰もがもっているであろう「めんどくさい」ってこと。
相反する2つの「個人的な」感情を整理し、直感と技術を用いて
"うまいこと"具現化することがデザインなんだということを再確認です。
「エコ」とか「バリアフリー」とかはただの大義名分というか、
メインのテーマにはなり得ないことは皆、確信犯でやっています。
宇都宮市日野町通りに8月中旬OPENした、MINAMOTOの空間デザインを行いました。
ここはダーツバーとレストランを併設した店鋪で、いわゆるダイニングバーというより、イギリスにあるパブに近いスタイルです。
入口を巡るとまずバーカウンターがあり、更に折れるとレストランスペースがあります。
1人2人で楽しみたいとか、飲みたい時はバーで、友人恋人とじっくり語り合いたい時はレストランで。そんな使われ方をしています。

        <夜景>              <昼景>
外装は全面ガラス張りで、特注プランタに植えたツタ/ハーブで覆っています。


        <バー>              <レストラン>
内装はシンプルに夜の雰囲気を。
照明をぐっと落とし、ポイントに深めの赤を挿しています。
それぞれのメイン壁には、輸入モノの同柄色違いの壁紙。
バーは鮮やか目、レストランは落着いた色合いのパターンを使用。


   <スポット看板>      <レストラン>      <トイレ手洗器>
このお店、看板を取付けていません。でも店頭の道路面にくっきりとお店のロゴが。
実はコレ、照明を当てているんです。
レストランテーブルは製作品。無垢の鉄をそのまま使用してます。
トイレの手洗器も製作品。ステンレス曲げものです。
他にも入口扉、酒棚、花台等々。

空間デザインに当たり、テーマとなったのは「2種類の空間」と「距離感」でした。
ダーツバーとレストランという、性格の異なる空間をいかに同居させるか。
さらにその2種類同士、そして外部との距離感をどう引き延ばすか。
決して広くはないこのスペースで、この課題を成立させることがカギです。
これらはエントランス廻りの操作と外装の仕立てで対応しています。

また、ここではできるだけナマの素材を使うことを心掛けました。
ムクのスチール、ステンレス、むき出しのコンクリート。
カウンター等手の触れる部分には木を用いています。
外装に用いた植物もそうですが、これらは全て時間と共に成長していくものです。
他の用途に比べ、使用期間も工期も短い店鋪デザインでこういった性格の素材を選択することは
実は一般的にタブーに近いことです。
しかしオーナーさんの、この地でじっくりと商売を育てていきたいという気持ち、スタッフさん達の責任を持たされつつ徐々に成長をしていきたいという気概を受け、このようなデザインになりました。

全ての空間創りがそうなのですが、竣工時がゴールではないのです。
スタッフも空間もこれから成長し味が出てくる、というお店ですが、
こういった環境づくりに関れることは非常に楽しく貴重な経験です。今後も注目していきたいです。

※写真撮影 スタジオオオハシ
ようやくIKEA船橋店へいきました。
ここは北欧SWEDEN発の超大型インテリアショップで今や世界中に店鋪を展開しています。

場所は今をときめく船橋ららぼーとの近く。室内スキー場ザウスのあった場所です。
青と黄色のビビッドな外観。レジ廻りは海外を感じさせます。

そして一番みたかった部分がココ。

ここは、ルートの決められた店内を巡りながら、欲しい商品をメモり、
レジの直前のこの棚から原物をカートに積込み、会計します。
超大型の棚にびっしりと商品があります。壮観です。
小物は店内を巡りながらカートにほおり込めばいいのですが、
ベッド部材やテーブル等はこの棚から自分で引っぱり出すのです。
非常に楽しい空間で楽しい作業なのですが、女性のみで来ると難しいかも。


テーブルセットの展示。壁掛け式です。

商品陳列の例。

これは分かりやすいなと思いました。
家具屋さんは個々の商品を見れば良いのかもしれないけど、結局お客はどのように置けばいいのか、それが部屋に似つかわしいか、部屋の大きさに対してどうか等々が非常に分かりにくい。
ここでは、各ブース(6帖程度)に各々テーマを持たせ、家具雑貨一式を配置し、ひとつの部屋をつくりあげています。とてもイメージしやすいです。1室そろえていくらかも出ています。
ここが他の家具屋やホームセンターより良い点。


店内を巡っていると、所々に大きなワゴンがあり、小物商品が山積みとなっています。
そしてそれらは非常に安い。というか安く感じます。
ついつい手を伸ばしてしまいます。


肝心の商品はと言うと、「楽しい割に安い」という印象です。
商品の色使い、形、とても楽しいモノが揃っています。
そして2.5人掛けソファが基本10万円以下。すごく安く感じます。
でもよくよく細部を見てみると、価格の理由が納得できるつくりです。
きっとここで揃える家具類は、一生モノというよりは5〜10年モノ。
その間に感性と経済力を上げ、それから本物の一生モノの家具を手に入れる。
その入口となるには充分な、ふさわしいスタイルを持ったショップです。
より多くの人が自分の生活環境を自分でつくりあげていくことに興味を持つこと、
それを手の届くものとして提供している、良いお店です。
那珂川町馬頭広重美術館に行きました。

これは隈研吾氏の設計で2000年開館の歌川広重の肉筆画を中心とするコレクションを展示する美術館であり、当八溝地域の活性化を目的に建てられたものです。
建物は全面的に地元八溝杉を浸透式不燃加工(宇都宮大学との共同開発)したルーバー材にて覆っています。もちろん光の操作用途(表層の意匠用)なので、ルーバーの内側に本当の屋根材、壁材が納まっています。
緩い大きな切妻屋根にて押さえられた存在感と、近付くにつれはっきりしてくる木ルーバーの軽快さ、そこからもれてくる光陰がなかなかわくわくする空間です。


僕は7年前の開館当初に行って以来だったので、一番気になっていた、
木ルーバーの状態を中心に見てきました。
外装は木材を使っているとはいえ、薬剤をばっちり浸透させたものなので、
経年変化はどうなのか?
薬剤をばっちり使ってるとはいえ、やはり木材を外部に思いっきり使っているので
腐朽具合はどうなのか?
開館当初は白木の具合も非常にきれいで若い女性のような印象でした。
普通なら、時間と共に白木が落着いて、深みのある表情になっていくのですが。。。

現状はこう。
左の写真は南面の年中直射光が当たる部位。薬剤が浮き出てきて白結晶化してます。
右の写真は入口部分なのですが、右半分が日が当たる部分、左半分が日影となる部分です。
一目瞭然に差が出ていました。
日影部分は薬剤も表面で結晶化せず、白木っぽく維持されています。
日なたの部分はもはや木なのかどうかも分かりません。

建物は出来た時から崩壊に向かいます。
人間も生まれた時から死に向かいます。
化学的素材建材を用いたり、シリコンを入れたり化粧をしたりすれば、
一見老朽化は逃れられるように思えます。
しかしこれらは小さなヒビや汚れ、ちょっとした欠点1つで全く価値のなくなってしまうものです。
だいたい長くて20-30年。これにどれだけ近付けられるかで価格設定が変わります。
反面、木、石、鉄などの無垢素材や肌は時間経過により表情を変えます。
これは老朽ではなく、蓄積による味わいとか深みとなります。
表情の豊かさやしわに刻まれた人間の深みに通ずるものがあります。
崩壊は免れられません。
エアコンは壊れるし、歯は抜けます。
しかしそうった現象といかに上手に付合っていけるか。
人間も建物もナマモノ。
楽はさせてもらえないけど、手をかければケアしていけば、
それだけの喜びもまた。

ちなみに

トイレはこんな感じ。
かねてよりの念願であった、メルパルク日光霧降(ロバート・ヴェンチュ−リ他設計,1997年)に知人の御好意により宿泊してきました。
同じ栃木県内にありながら、ここに通じる日光霧降道路が昨年迄有料(900円位)だったせいで、見学さえも躊躇していたのですが、なんとか閉館最終日に行くことができました。
この設計者、代表作は1963年「母の家」「ロンドン・ナショナルギャラリー」にも。著書では「建築の多様性と対立性」です。僕の大学の時に教材にもなっていたものです。近代建築モダニズムの巨匠であるミースの「less is more」に引掛けて、「less is bore」と言ってしまったお洒落さんです。ポストモダニズムに影響を多大に与えた方です。

<外観>・・・庇型のハリボテ装飾
ニッポンで初めての設計に当たり彼なりにニッポンの調査をし、記号化を施しました。
上の写真は切妻屋根ですね。見事にぺらっぺらです。
そしてメインのビレッジストリート。

ラミネート印刷の、ニッポンの商店街の記号達です。
ポストや造花飾り、電柱、提灯、自販機等々、賑やかに装飾されています。
このアトリウムは屋外に連続していて、ハリボテも屋外まで配置されているのですが、ここは日光国立公園内、彩色は省かれています。
さらにスパ棟。

片面緑、片面黄色のもみじのハリボテに囲まれたプールです。外側柵にはお花の照明が配置。
意外に気持ち良い空間。
そして客室。

<テーブル><カーペット><カウンター引出し>
ハリボテを存分に見てから部屋全体を見ると一見拍子抜けなのですが、断面を強調した家具類、なんだか馴染みのあるパターンの壁紙・カーペットはなかなかなものかと。テーブル、ウチに欲しいです。

ここに行ってすぐ思い浮かんだのは、「越後妻有アートトリエンナーレ」の初回(2000年)。当時は結構外国人現代美術家を呼んでいて、彼ら独自のニッポン感により作品を制作。結果、カカシをモチーフにした作品が妙に多かった気がします。
しかし使い手の反応や効果が全く違う。越後はアートではこれまで全く関係のなかった住民がびっくりしながらもその存在を楽しんでいるのに対し、メルパルクは宿泊者にとっては全く関係のないもののように普通に浴衣で歩き、バイキングで食事をし、お土産物を物色しています。EVホール毎に置かれているブロイヤーチェアなんて誰も座った形跡がありません。これはこれで背景と行為とのギャップは見ていて楽しいのですが。。。あと全体を体験した中でのアンバランスさはスリリングです。
でもなんだろう、勿体無いなと思いました。貧乏性なんですかね。
「アート」と建築物の「装飾」との違いなんでしょうかね。
それならアートの方が好きです。
かねてより気になっていた、宇都宮市の南、壬生町にある
スカンジナビアライフスタイルショップ桐野屋に行ってきました。
広がりのあるアプローチを抜け、店内に入ると
北欧モノを中心とした家具、照明、食器、雑貨達がゆったりと展示されています。
それぞれ座ったり触ったりできて、なかなかよいです。
特に無垢の木製家具は触ってこそ魅力が分かる。
各商品は確かにイイモノ。
木製の繊細さと幾何学デザインに人間的なカーブを組合わせたような。。。
でも、栃木県でこの価格で受入れる層がいるのかどうかがなんとなく知りたくなり、
重役っぽい方に声を掛けたら、先代社長の奥様でした。
僕の身分を明かし、少し話していたら、先代社長を呼んで下さいました。
近くのダイニングテーブルセットに腰掛け、お話を聞くと、
今5代目にもなる家具屋さんとのことで、この代になってから方向転換をしたのだが、
もともとは桐ダンス1本でここまできたとのこと。
先代自身も自ら家具職人として働いてきているので、
今のようなショップスタイルはどうかと思いきや、結構楽しんでやってます。
樹種は違えど、やっぱり木が大好きで、それに関しては誰にも負けないものをもっている。
僕は30-40分程度しか話せませんでしたが、
桐だけで10時間は話してくれそうな方でした。
おっしゃるには、木はいつ切ったかを知ること。どこ向き斜面に生えていたかを知ること。
これを最低知らないで、木造の建物は建てるな、と。
店鋪に並ぶ出来たての木製家具は使われた瞬間から消耗に向うんじゃなくって、
やっぱり使って味が出て成長に向うものだ、と。
デザインとかフィーリングとか言う前に、
それを成立させる材をきちんと知り、使う技術を持つこと。
その土台があって初めて、使い手のしたいライフスタイルが出来るようになる。
価格については、元々何百万の婚礼家具を扱ってきたこともあり、
自分の商品にプライドを持っています。
本当にいいモノ、いい生活、いい気持ちを得る為に相応のお金が掛かるのは当然のこと。
コンビニやファミレスの食事で得られる気持ちはやっぱり相応。
他の食事は全部そうめんでも、
月に1回でも年に1回でも本当に美味しいものを食べてきた人は豊かです。
ましてや本物の家具や家は1回買えば何十年、それこそ100年以上も楽しめるんです。
今はテーブルがなくても、本物のイス1脚だけでも、、、と、
揃うのは徐々にだけど、日常的に1つでも本物に触れている人の方が豊かだと思います。
そういうモンです。
年に1回、忘年会という形で県内の40才以下の建築設計関係の人々が集まってまして、
僕も参加してます。参加者は基本的に設計事務所主宰者とそのスタッフ、学生が中心です。
住宅設計を主としている方が多いです。一部店鋪専門。
建築設計の世界では50才までは「若手」。お金はないけど皆とても忙しい。
まだまだ働けば働く程貧乏になっていく時期です。
皆、あと10-15年もすれば大きな建物をやったり、
先生になったり、県の建築団体の仕切なんかしていくんだろーなーと思いながら
だらだらと飲んでいます。
しかし皆、日常では建築論や新しい建築についての批評をする機会がないのが現状。
皆、建築設計が世の中にどのように必要とされているのか、必要とされる為には、とか議論し、
アイデアを出し合ったり、時には協同できないのが現状。
せいぜい実務的な情報交換。これは便利だけど、つまんない。
地方都市の建築界は今だに土木優位。そして地元工業高校出身者優位の世界です。
なかなか、デザインについての意識が見えない世界です。
でも少なくともここの皆がこのまま離れない関係を保ちつつ、
徐々に各々の独自分野確立の準備を進めて行ければ、
10-15年の間には少しは権力関係やクライアント候補者達の意識も変わっていくんじゃないか。
今はハウスメーカー住宅のほうが多くても仕方ない気がします。
そして皆、自分ことで精一杯。
少々仕事は少なくても、世の中に常に繋がってないと、
認知活動をきちんとしないと後で痛い目見るぞ、と。
なんとなくイケそうな感覚はあるのだけど。
たまーーには仕事のことを書かないと
建築設計やってるって自他共に忘れてしまいますので。

新聞の経済欄にデビューしました。


JR駅程近くの築20年賃貸マンションのリノベーション工事が竣工しまして、
先月末に内覧会を行いました。
 ⇨ 
     before          after
3DKとチマチマした間取を、1LDKにして大空間を確保。
壁、天井はコンクリートまたはボードに白塗装しただけ。
その分、床とキッチンには気合いを入れました。
無塗装で外で使っても大丈夫な高級無垢板の床。
木板カウンター+ステンレスのキッチンは足元がスカスカ。
あとはレール式スポット照明で決まり。

眺めが良いので、キッチンからも眺められるように。


俗に言う「リフォーム」は「新築時の価値に近付ける」こと。
価値基準は不変です。
ここでいう「リノベーション」は「価値転換」。
不動産業界での価値基準でなく、
「ライフスタイルの価値基準」にてウリを創り出すことです。
新築物件が全ての物件の最上位ではなく、
「ライフスタイルの価値基準」は新古問わず。
いかに入居者の求める生活にマッチしてるか、です。
それからそれから、、、
話せばキリのない程、ここから派生することが沢山ありますが
ここで書くのは大変なのでやめます。
1/25発売の月刊誌「fooga」にて書いてますので
入手できる方は読んでみて下さい。
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taisei
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非公開
自己紹介:
宇都宮のこと、栃木のこと、街のこと、ロンドンのこと、建築のこと、不動産のこと、空間のこと、身体のこと、機能のこと、美術のこと、音楽のこと、映画のこと、妄想のこと、無駄なこと、予期しない出会い/組合せのこと、なんでもないモノゴトに惹かれます。
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