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栃木県宇都宮市の空間プロデューサーの日々報告
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雑記です。ひと休み。

左は祇園を歩いている時に出会うことのできる、プチ鳥居です。
千本鳥居で有名な伏見稲荷のお膝元だけあって、土地はなくても狐さんの通り道を。

中は繁華街のビルの壁面。なんともキッチュ。
一応、京の街並へのリスペクトということだと思うんですが、もう口鬚にしか見えません。

公園。一見なんてことはないのですが、ここは茶道で有名な表裏千家の並ぶ通り。
お寺と庵に囲まれた保存地区にいきなり幾何学の球体が浮かんでいると、どきっとします。

左は高台寺開山堂と秀吉&北政所を祀る御霊屋を結ぶ「臥龍廊」。
斜面なりにうねる屋根がなんとも素直なつくり。

右は祇園のとある料理屋。
覗き込んでみると、結構モダンなお店が多いことに気付きます。

やっぱりいいなぁ、阪急電車。
別に鉄っちゃんではないのですが、この電車、すきなんです。
小豆色の車体に木目調の車内。そして緑のシート。
僕の好きな、カリモク60モケットグリーンソファと似た緑のシート。
やっぱ大阪方面へ行くには遅くてもJRより阪急電車ですね。

京都の羨ましいところは、本屋さんや喫茶店等、本と関わる施設の多さ。
左は「私設図書館」!!! なんていい響き!
1973年開館した、民間の自習室です。こんなの自分の住む街に欲しい。
右はアート/デザイン書のセレクトで有名な「恵文社一乗寺店」。ここだけではなく、
京都には趣向の片寄った本のセレクトショップが新古問わず点在しています。
良い本を発見できて、美味しくて落着く喫茶店がある。
個人的に、住みたい街の基準はコレです。
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都市はトランプ。
僕はこんな風に捉えています。
 
は? 何のこっちゃ? へぇ。 ほほぅ。 なるほど。 そう来たか。 様々。

トランプはマークと数字のみ書かれた52枚のカードがあるのみ。
これを楽しめるツールにするために、「ルール」があります。
一度そのルールを「設定」してしまえば、あとは勝負や占い、手品など、目的が生まれます。
トランプのマークと数字は「多様に遊べるように」という、漠然とした目的でできています。
それよりも人は、ルール上での目的にのめり込みます。
この、「のめり込む」という感覚も重要。

都市は大上段の目的というか、テーマはあるけれども、
これはとある1部の方々によって設定され、とある1部の方々の為にあるもの。
僕らにとってみれば、トランプで言う「多様に遊べるように」程度のものです。
道路や建物、店、バス停、天気、人、住まい、学校、職場、樹木、川、ゴミ捨場などは
トランプでいうマークや数字に当てはまります。
それぞれだけでは、何にも楽しいものではありません。
しかしどの都市でも、材料はあるわけです。
でも、皆が遊べる「ルール」を発明できれば苦労はないのですが、
それを行うのがメディアだったり、クリエイターだったり、発信側の人間の職能です。
受入れられようがられまいが、「こんなんどう?」とルールを提示し続けることが責務。
それにはまず、マークや数字が何かを知ることをしなくてはなりませんが。

とにかく、「都市がつまらない」というのは、
「都市がつまらない」のではなく、「都市をツールに楽しめない」ということ。
それには、よくある街づくりみたいに、
カードの「絵柄」を素敵な風景に変えても何も変わりません。
そこは世界遺産だろうがスヌーピーだろうがヌードだろうが同じです。

多種多様な遊び方の発見と設定。
それが個々人のTPOで選択できること。

これが重要。

僕もなんとか「ルール」を発見しようと苦心しています。
ノモプロジェクトしかり、METしかり。向明公園しかり。
それらをより気持ち良く楽しめるように
「マークや数字」のデザイン(設計)をしたり。
やはり「絵柄」も最終的には気になってくるであろう、
ということで市の政策にも関わったり。
より多くの人が都市に「のめり込める」ように。

調べてみると、こんなに多様な「遊び」が。
1人でも大人数でも、都市にはまだまだ楽しめる余地があるんです。
エース・アップ、キャンフィールド、フリーセル、ゴルフ、クロンダイク、 ピラミッド、4枚並べ、カップル、四つ葉のクローバー、クロック、フラワー、スパイダー、ジン・ラミー、スパイト・アンド・マリス、スピード、 戦争、クリベッジ、 カジノ、 スカート、ナインティ・ナイン、ホイスト、コントラクトブリッジ、 スペード、 ハーツ、 ピノクル、 ポーカー、ババ抜き、ナポレオン、ブラックジャック、カリビアンスタッド、大富豪、ババ抜き、ジジ抜き、セブンブリッジ、ラミー、7並べ、ダウト、戦争、大富豪、豚のしっぽ、神経衰弱、うすのろ、ページワン、ドボン、ウインクキラー、51、銀行(おかね)、アメリカンページワン、ブラックジャック、バカラ、ナポレオン、ツー・テン・ジャック、絵取り、点取り、ゴニンカン、オイチョカブ
水戸芸術館で2008.01.27まで開催中のロボットデザイナー・松井龍哉展に行ってきました。
松井氏の会社「フラワー・ロボティクス社」では、ロボットデザインのみならず、
独自の都市研究、CI、建築までも含めた活動を世界中で行っています。
驚いたのは、僕の高校の同級生が建築分野でのスタッフとしてまだ働いていたことです。
6年前位に偶然会って、この会社で働いていた事は聞いて驚いたのですが、
まだ松井氏自体、ここまで大きく活動をできていない時期だったので、
彼も一緒に大きくしていったと言っても過言ではないでしょう。
同級生にこういう立場にいる人がいる事を知ると、とても刺激を受けます。
そして、「ロボットデザイナー・松井龍哉」「アートディレクター・佐藤可士和」と、
一般的認知度の低かったポジションを自力でつくり上げた例を見ると、
直接的に刺激を受けます。

その後、3年前まで芸術館の隣で「ミニチュア・カフェ」を運営していた
グラフィックデザイナーの方と待ち合わせ、
近くにあるセントラルビルに連れていってもらいました。

築40年にもなる木造アパートをリノベーションし、現在6店舗入っています。
内容は、カフェ、雑貨屋、バー、オリジナルグッズ店、足ツボ、フラワーアレンジメント。
あとギャラリーも。各々じっくりと営業をしている感じです。

実はこのビル、「チャレンジショップ」なんです。
難しくいうと、商工会の創業者支援事業(インキュベーション)。
どの都市でも行っている事業なのですが、
大抵、なんの変哲も無い場所で本人達がいじれる要素もあまりなく、
更には、経営サポート・アドバイスみたいなこともあまりないのが実情です。
つまり、コンセプトがない。
ここでは、「創業支援コンサルティングチーム」がいて、
「活発に活動する元気な商売人」と「価値ある建物の存在」がコンセプト。

「方向性のはっきりした商売をしたい人」と
「方向性(味)のある建物」をマッチングさせることで、
起業者はやりやすいし、空き物件も埋まる。
さらには、似たテイスト・センスの起業者が自ずと集まり、そこから自ずと相乗効果が生まれます。
コラボレーションはもちろん、お客の紹介、経営相談等々、
やりたいことや、センスが似ているからこそ出来るコミュニケーションがあります。
個人事業主にとって、そんな人達が近くにいるという事自体とても得難いものです。

そして「分かりやすい事」がかなり重要な要素です。
お客はもちろん、店主同士にとっても「分かりやすい」ことで、この場の利用価値が生まれます。
1社では足りない手段は隣に協力してもらえばいいんです。

前にも書いたように、1,2年後には街なかにシェアオフィス(+ショップ)を設け、
事務所を移したい僕にとって、
いち地方都市でしかも隣の県で、こういった場所がいい感じで動いている事例があることは
とても勇気づけられますし、悔しいです。
あ〜早くやりたい。
これの続きです。
7月28日にイベントを行いました。オープン間近のうつのみや表参道スクエアに入る、妖精ミュージアムとのタイアップによる「ライブin向明公園」。
シンボルツリーも芽吹き、ベンチも設置されたこの空間のお披露目です。
朝10時の宇都宮市長、商工会長の挨拶に始まり、ダンス/歌/朗読/ホルン演奏を行いました。

夜には工事用照明にてライトアップが行われ、ジャズライブが。
もちろんビールと近所のおーるどびーんずのおいしいコーヒーを片手に。


どうですか、この空間。
公共性が非常に高く、長時間のイベントだった為、既成のレンタル物品が若干目障りですが、
「どこにでもあるがどこにもない空間」を充分に味わえる空気感を放出していました。

長崎屋の壁の大きさ、白さ。そこに自生するヘデラ(つた)の迫力。ばんビルの壁の染み。上部にぽっかりあいた闇。そして聞こえるスタンダードジャズの音。。。
全てが味わいとなり、この空間が非常に独特で落着きのあるものになっていました。


これは決して、どんなにデザインをしても、技工を凝らしても作り出すことのできない空間です。
昨年、通称ゴータクビルで行った「ノモプロジェクト」の時もそうなんですが、空間デザインを生業にする者でありながら、どうしてもこういった類の空間が好きで仕方がないのです。でも好きなんだから仕方がないのです。わざわざ造り出さなくても強烈な個性を持った空間は数多ある。僕はそこに関わっていることに幸せを感じるのかもしれません。

正直、当日夜この空間に腰をおろし、このなんとも言えない落着きを感じた時には涙が出そうでした。
思い返せば、こういう感覚を味わうことはめったになく、どんなに名作とされる現代建築に行った時もほぼ皆無で、非常に数少ない良い空間体験を味わえてしまいました。
挙げるなら、「大谷資料館」「サグラダファミリア」「首都高速」。。。
う〜〜ん、ホントにあんまりありません。
闇、圧倒的スケール、技術そして時間。この辺が出会った時になんとも言えない良い空間体験をしているんだな、と感じているのかも知れません。
光、ヒューマンスケール、平坦さ、存在感のなさ。現代建築を説明するワードがこのあたりだとすれば、根源的に人間と付き合っていくものである建築とはズレがあると思っています。
まだこれ以上は上手く言えないので言いません。
自分が空間デザインに関わる意義はこのへんにありそうな、変な確信だけあるだけです。



最後に、このイベントに出品してくれた人形作家の戸田和子さんの作品です。
作品の善し悪しについては僕は正直わかりません。ただ、通常この類の作品は美術館やギャラリー内展示を前提に作られます。しかしこの作家さんは、この想定外の展示空間を非常に楽しんでいました。ましてや、途中で夕立ちが降り、ビニール袋をかぶる羽目になっても楽しんでいました。
こういう作家さんは好きです。
これの続きです。
2007年4月中旬の仏滅のとある早朝、10数名の男衆が小道具片手に集いました。
現場にはコンテナいっぱいの木の廃材と100コの大谷石。
男衆は初対面とは思えないチームワークでシートを拡げ、大谷石を転がし、木材を選別し、切断し、孔を開け、ボルトで繋ぎ、カンナを掛け、塗装を施し、片や大谷石を配置し、孔を開け、鉄筋を挿入し、モルタルを練り、注ぎ、みるみるうちに部材が出来上がっていきます。

出来上がった部材はそれぞれテーブル、ベンチの天板、脚となっています。
ここからは男衆が一体となって担ぎ上げ、合体の作業です。
なんとも順調にテーブルセットが3つ、完成しました。
 
2セットは大谷石+木。1セットは廃品の木テーブルそのままです。
全体像はこんな。


この1週間前にはナナカマドの植樹とそのライトアップ工事も完了しており、
(この樹種は、初夏に白い花、夏に真っ赤な実がなり、秋には色付き、
枯れてまた若葉が芽吹く。四季折々の表情を見せます。)

南側の大壁面には見事なツタが。
これは個人的に何年も観察してるんですが、年々成長してます。


3つのテーブルセットが適度な距離を保って配置され、
ナナカマドやツタを眺めながらゆったりした時間を過ごす。。。
ふと上を見上げると白い壁に切取られた空が降ってきます。
50万都市のど真ん中で不思議な静けさ、落着きを得られる空間になりました。

インテリアのようなアウトドアのような。。。
都市のピクニックのような。。。
何かと何かが対立しつつ、共存している、不思議な感覚。。。
でっちあげられたものではなく、明らかに時間の積み重ねによってできた状況でありながら、
重々しい歴史ではない。
なにか人間に近い、「いたしかたのない状況」によって形成された、、、、

人工的には決してつくり出すことのできない、
でも大自然では決して味わえない、
そんな魅力のある場をこの街は結構抱えてるんだなと思います。

やっとここまで出来ました。
しかし、これで完成ではありません。
今はまだ、単に最低限の舞台が用意されたに過ぎない段階なのです。
これの続きです。
2005年の帰国直後、宇都宮市まちづくり推進機構「向明公園活用班」は消滅し「妖精のまちプロモーションワーキンググループ」(以下、WG)と名を変えてしまいました。しかしリーダーは変わらず、声を掛けて頂き、引続き参加することになりました。
名目は変われど、僕の参加目的は全く変わらないことを条件に会議に参加している中で、
当WGでは童話コンペ(絵本発行に続く)と当公園整備を2大プロジェクトとして活動することになり、童話に口を出しつつ、公園の方向性・手法提案と実行を担当することになりました。

ちなみに隣接商店街の状況はというと、だいぶ様子が変わっていました。
公園に面する大半の商店が撤退・閉店にて100円Pとなっており、ますます歩く人もまばらとなっていて、建替えの話が湧いたり消えたり。向いのブロックでは再開発ビルが建設中。その隣も計画が着々と進んでいたり。
いよいよこのブロックが取残される予感が現実味を帯びてくると同時に、僕の中では現在持っているものを活かしつつ、キャラクターを育てることのできる唯一のブロックとしての価値が上昇中。

そんな中、公園の提案を幾つか。

大谷石を全体に渡り高低差をつけながら敷詰め、「大谷石の丘」を形成。
古代アゴラの様に人々が集い、ものごとが巻起こってゆく舞台として整備。
そしてアプローチ焦点にシンボルツリー+ライトアップ。

お次は、

アプローチ軸上に大谷石敷きの歩道シンボルツリー+ライトアップ。そこから白い壁に向い、緑の丘が畝る。
両方とも敷地に高低差を設けています。土工事は少々面倒なのですが、利用者がここを使うヒントとなるものです。敷地内のどの地点に居ても大差のない場所を提供するのではなく、メリハリをつくり出すことにより、利用者が使い道を選択する。個々人がお気に入りの地点を見つけ、気分により使い分けてもらえればいいなと考えました。

これは入口。

ゲート的なものができないか、とのことで提案したものです。
サビ加工したコールテン鋼をライトアップしたものです。焦点にシンボルツリーも見えます。

正直、数年前の提案より随分とスケールダウンした感が否めません。
理由はまず、近隣との関係を持たずに公園の整備としてできることしかできないということ。
次に、行政(公園緑地課しか関与できない)としてはここは公園として整備を完了しているということなので、これ以上手を加えるなら自腹でしかも億分の0.00001%も事故の可能性のあるものはダメ、ということ。
しかし近隣の状況としては切迫しているのは現実。一気に進められるまでじっくり案と人をを育てている訳にはいきません(この時点で既に5年以上経っていますが)。この貴重な空間が周辺を、貴重な周辺が公園を道連れに衰退するのを見ているだけではまずい。いや考えてはいたんだけどね、とか、途中迄は動いてみたんだけどね、とかはここではやってはいけないなということで、
最初は地味だけど、何の直接的効果も出ないかも知れないけど、少しでもこれまで関わった多くの人達が多大に労力をかけてきた欠片でも刻印することで、何かしらの舞台としてスタートすることができないか、と絞りに絞り、諦めに諦め、2007年にようやく
1、シンボルツリー+ライトアップ
2、テーブルセット  が設置出来ることになりました。
これの続きです。
studio choraの活動からだいぶ空いて3年後の2004年、宇都宮市まちづくり推進機構の「向明公園活用班」に参加しました。東京での留学準備、そして渡英してしまったため、数カ月の参加でしたがその期間の話です。

ここでは公園は公園でできることをやっていこう。隣接する商店街と共同でないと動いていかないようなことではなく、まずこの公園を特徴付けることだ大切で、それを切掛けに隣接商店街が動き出していければなお良し。というような方向性で会議が進んでました。
詳細は昔のことで忘れてしまったのですが、やはり文化創造がキーポイントとなっていて、
公園の3面を25m超の高さで囲む白壁に「壁画」を描いてはどうか、という提案でした。
単純計算で1400m2弱のキャンパスが既にある訳です。

アーチスト制作にて、または主導にて大人数参加でのやり方、一気に完成させるのではなく徐々に絵が見えてくる経過を楽しめるやり方、植物のようなものを地面から描き始め、都市統計的な事由からそれが月毎に生長していくやり方等々を提案しました。

同時に中古コンテナを用いた作業休憩所というか拠点兼眺め場も提案。やはりここでも求心的な人(ここではアーチスト)が居て、行けば会えるという舞台づくりを目指したものでした。

それが派生して、近隣も利用して上写真のような展示会が行えるような舞台に育っていくことを夢見ていました。


同時にこの奥まって、そして突き当りで拡がる公園空間を増長するような、気分を盛上げるようなアプローチゲート計画も。これは骨組みを大工さん(プロ)にやってもらい、廃材の板の張付けと塗装を素人で行えるものです。トンネル状の空間と断片的に見える空、末端の大空間を期待させ、公園をより落着いて居られる別世界に変える装置です。

これはベンチ提案。やはり座れる場所が必要だろうということで出した提案の1つです。
よくある公園のようにしっかりしたベンチを固定するのではなく、学校のイスを多数置いておき、利用者が好き好きに配置を変えて座ってはどうかというもの。公共の場所に「自分の居場所」をつくり出す、最も簡易的な手法です。写真はNYのとある広場で行われた社会実験の例です。利用者は広場の縁に限らず、自分達で適度な距離感や角度を調整して効率的に使っている様子が報告されています。イスも盗難されることがなかったとのこと。

とかなんとか様々な提案を会議にて検討してきましたが、特に何も進展のないまま渡英の時期を向かえてしまいました。
しかし帰国した2005年秋、当時の班長より連絡があり、再々度活用のチャレンジが始まりました。
これの続きです。
前回は現状紹介と分析、さらにstudio chora時代のいわば自主提案について書きました。
その後、chora cafeの報告会を開かせて頂き、商店街の方々にソフトを含めたリノベーション素案を
プレゼン。
一ヶ月間多くの訪問者の方々と対話し、我々なりにこのエリアの可能性を既存建物を利用することで切っ掛けをつくり膨らますことができないか、と考えたものです。

耐震に関わる柱壁を残し、スケルトンにした上で、公園と大通りの利点を活かす提案です。
但し、既存が既存な為(築50年)、入居者層を大幅に絞りました。
クリエーター達が住みながら自主改装を進めていき、公園にて随時作品制作や展示を行っていくというものです。それを目当てにまず同類、そして来訪者(ここまでがパフォーマ−)が集まり、絶えずなにかしら行われている状態になってくる。そうなると彼らをターゲットとした商業が自ずと発生し、さらなる来訪者を呼ぶ、というシナリオ。
NYのSOHO、ロンドンのwest endのように、老廃したエリアにまずクリエーターが住みつき、それが関連者を呼び、ある種憧れのエリアとなってくる。それから商業が入り込んできて、綺麗になり地価が上がっていくにつれ、初期入居者は次なるエリアに移動する。その頃にはこれらの老廃エリアは超一級の高級エリアになっているというものです。
魅力ある場所には建物は大切だけど、それ以上に求心力のある「人」がまず必要という提案です。
その舞台となる為には最低限の水廻り設備とむき出しの構造体があれば済む(むしろそのほうが良い)ので、大々的に建替えをしてピッカピカの空間を用意し、大テナントを呼ばざるを得ないというようなハイリスク・ハイリターンの博打にでなくても良い訳です。
「ローリスク・ロングリターン」を目指す。
こんな内容でした。

時を前後して宇都宮市まちづくり推進機構にて「向明公園活用班」なるものが結成されていて、
僕は2003年に参加をしました。
仙台の街の動きについて。
仙台には今や言わずと知れた、伊東豊雄設計、2001年開館の「せんだいメディアテーク」(以下smt)があります。仙台のシンボル定禅寺通りに面し、大きなガラスの箱の中をチューブ状の樹木のような縦動線(構造体でもある)がいくつも貫いている不思議な建物です(正面からは)。
僕が注目したいのは建築云々よりも、内部用途です。地下駐車場ー1F屋内広場・カフェ・アートグッズショップ(青山のスパイラルのよう!)ー2F総合案内・託児所・オフィスー3,4F仙台市民図書館ー5,6F大小ギャラリーー7Fスタジオ・シアター・映像ライブラリー等々もりだくさん。でもこれは市の施設。だから基本的に全てタダ。自ずと市民が集まってしまっています。ついでに図書や映像、常時行われている何かしらの展示に触れるわけです。
こういった利用法のルーズな施設を公共で運営するということは、まずあり得ないことなのですが、この建築家は設計のみならず、利用法の検討や定着にむけたワークショップ等を企画、ディレクションし、問題は多々あるとは思うが想像するに利用側からの評判の良いそして街にとっても文化的核となるような施設に成長を続けていると思います。
この街には東北大学、東北工業大学、宮城大学、東北学院大学など、いくつか大学があり、その中に建築学科や美術系の学生がいます。特に建築学科の学生が主催している「卒業設計日本一決定戦」がsmtを舞台に毎年行われていて、昨年は3000人規模となりオフィシャルブックも発行されました。

<smt外観と7Fライブラリー>
近辺には大規模アーケード街、飲み屋街があってこんなショップも。

<あるショップとセルフリノベーションギャラリー>
又、まちづくりの動きも活発で、
市東部のとても大きな卸町(倉庫街)に劇団の施設をリノベーションして設けたり、音楽スタジオを設けたり、そこに大きく関わった大学助教授(建築家)が空き倉庫に事務所を移転したり。

<演劇スタジオ群と音楽スタジオの入口と設計事務所>
倉庫街だけではなく、もちろんまちなかの商店街にも入り込み、今や商店街側から話を持ちかけられる状況になっています。幾度となくアートプロジェクトやパブリックスペースや個人所有廃墟を利用したプロジェクトが行われてきています。昨年は越後妻有アートトリエンナーレに出展もしました。このアート展には珍しく、都市型の提案だったと思います。
僕個人的に、地方発信でどこまでできるのか、そしてその効果がどのような形ででてくるのか、非常に興味を持って観察を続けています。もちろん栃木で利用できる手法を見つける為に。
その大きな原動力となってきた、東北大学の助教授であり建築家で上記倉庫の設計事務所代表である阿部仁史さんがこの4月で海外赴任が決まったそうです。ここまで育ってきたものが残った人、新たに来る人でどのように受継ぎ、転換していくのかを引き続き見て行きたいと思います。
そして実は、これらのプロジェクトにずっと関わっている方。実際に現場にて一番関わり続けているであろう方が僕の1才上の栃木県出身者なんです。これまでも帰省の度に何度か会ってて、先日のsmtでも偶然会ったりしたのですが、是非栃木に帰ってきて頂きたい一人です。これ読んでますよね、TKMさん!
ロンドン在住時にお世話になったRとKさんが、久々に来日するとのことで、
ニッポン観光をしてきました。
まずは数年前にロンドンから消えてしまったタワレコで待ち合せ。
それからノア渋谷ビル内のレコードショップに。
ここは、渋谷のど真ん中にあるマンション。
部屋は1戸9坪程度で、全体で100以上の部屋があります。その各部屋に各々のレコード屋さんが入ってます。他にも、半導体機器メーカー、鍼灸院、矯正歯科、美容室、美容外科、ネイルサロン、デザイン事務所、雑誌編集、占い、Tシャツ屋などなどがみっしり入居してて、立体的なストリートって感じで面白い場所でした。
中でも僕のお気に入ったレコード屋さんが「マニュアル・オブ・エラーズ"ソノタ"」
サイトを見れば分かる通り、ジャンル分けが楽しい。ジャケット分類なんてのもあります。
なんとなく1枚手に取って試聴してみると、トイオーケストラな音楽に、飛び出す絵本ジャケット。
楽しいです。
その他、音源的な素材がたくさん「違和感」とか「宇宙博」なんてジャンルも。。。
しかし5人で巡るニッポン観光ツアーな為、狭い店内にはなかなか居づらいもんでした。
今度またゆっくり。
次は「まんだらけ」へ。各々探索。
それから、すごく久しぶりに会って、話すこともたくさん溜まってるにも関わらず、
道玄坂の名曲喫茶「ライオン」へ。

どうです、この雰囲気。
内部は2層吹抜けの壁一面に特大スピーカがあり、
お客は皆スピーカに向って座ることになってます。
当然他のお客は1人か2人。誰も話していません。
じっくりとクラシックとコーヒーを楽しむ為のお店です。
僕らは無言で、ジェスチャーのみで話し、出ました。
今度またゆっくり。

という感じのニッポン観光でした。
皆さんも日本にお越しの際は是非。
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taisei
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自己紹介:
宇都宮のこと、栃木のこと、街のこと、ロンドンのこと、建築のこと、不動産のこと、空間のこと、身体のこと、機能のこと、美術のこと、音楽のこと、映画のこと、妄想のこと、無駄なこと、予期しない出会い/組合せのこと、なんでもないモノゴトに惹かれます。
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