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栃木県宇都宮市の空間プロデューサーの日々報告
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年に1回、忘年会という形で県内の40才以下の建築設計関係の人々が集まってまして、
僕も参加してます。参加者は基本的に設計事務所主宰者とそのスタッフ、学生が中心です。
住宅設計を主としている方が多いです。一部店鋪専門。
建築設計の世界では50才までは「若手」。お金はないけど皆とても忙しい。
まだまだ働けば働く程貧乏になっていく時期です。
皆、あと10-15年もすれば大きな建物をやったり、
先生になったり、県の建築団体の仕切なんかしていくんだろーなーと思いながら
だらだらと飲んでいます。
しかし皆、日常では建築論や新しい建築についての批評をする機会がないのが現状。
皆、建築設計が世の中にどのように必要とされているのか、必要とされる為には、とか議論し、
アイデアを出し合ったり、時には協同できないのが現状。
せいぜい実務的な情報交換。これは便利だけど、つまんない。
地方都市の建築界は今だに土木優位。そして地元工業高校出身者優位の世界です。
なかなか、デザインについての意識が見えない世界です。
でも少なくともここの皆がこのまま離れない関係を保ちつつ、
徐々に各々の独自分野確立の準備を進めて行ければ、
10-15年の間には少しは権力関係やクライアント候補者達の意識も変わっていくんじゃないか。
今はハウスメーカー住宅のほうが多くても仕方ない気がします。
そして皆、自分ことで精一杯。
少々仕事は少なくても、世の中に常に繋がってないと、
認知活動をきちんとしないと後で痛い目見るぞ、と。
なんとなくイケそうな感覚はあるのだけど。
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たまーーには仕事のことを書かないと
建築設計やってるって自他共に忘れてしまいますので。

新聞の経済欄にデビューしました。


JR駅程近くの築20年賃貸マンションのリノベーション工事が竣工しまして、
先月末に内覧会を行いました。
 ⇨ 
     before          after
3DKとチマチマした間取を、1LDKにして大空間を確保。
壁、天井はコンクリートまたはボードに白塗装しただけ。
その分、床とキッチンには気合いを入れました。
無塗装で外で使っても大丈夫な高級無垢板の床。
木板カウンター+ステンレスのキッチンは足元がスカスカ。
あとはレール式スポット照明で決まり。

眺めが良いので、キッチンからも眺められるように。


俗に言う「リフォーム」は「新築時の価値に近付ける」こと。
価値基準は不変です。
ここでいう「リノベーション」は「価値転換」。
不動産業界での価値基準でなく、
「ライフスタイルの価値基準」にてウリを創り出すことです。
新築物件が全ての物件の最上位ではなく、
「ライフスタイルの価値基準」は新古問わず。
いかに入居者の求める生活にマッチしてるか、です。
それからそれから、、、
話せばキリのない程、ここから派生することが沢山ありますが
ここで書くのは大変なのでやめます。
1/25発売の月刊誌「fooga」にて書いてますので
入手できる方は読んでみて下さい。
再び「宇都宮まちづくり市民会議」関連の話です。
これは、H19年度公表の「宇都宮市総合計画」にて唱い、政策として進めてゆく課題、施策、事業を公募の市民達が18ヶ月かけて議論そして提案する、といった位置付けです。
各分科会での話とは別に、市も「部会」という形で、関連課が寄り集まった会があり、市民会議より”抜けのない”内容の総合計画項目を検討しています。
先日、その部会と我々分科会とで合同会議を行いました。
目的は、お互いの議論している内容の相互把握と質議、意見交換を通して、実質施策を決めてゆく部会にて分科会からの内容を整理する、という感じ。
我々市民会議は、「宇都宮を日本一住みやすい街にする」という大目標に向け、先に挙げた重点課題を抽出し、交通、住、景観、環境分野での施策、事業例を考えるという流れの思考なのだが、市側は文字通りのタテ割。交通は交通、環境は環境、景観の為の景観事業。つまり、1施策に対して1担当課の中での話になってしまっている、という印象でした。

政策って確かに事業自体の発案や実行は1担当課なのかもしれないけれど、あくまでそれは市の目指す大きな目標の為の1要素です。こうして考えると、「政策の企画-検討-絞込み-施策化そして関連課への役割当て-管理-方向修正-評価」を担当する、いわば政策ディレクターにて構成される少人数のチームとその室が必須だと思います。施策実施の手法についても、学術関係者や、他地方都市、市政研究センター等とのニュートラルなコミュニケーションを取りつつ、創造的なスタッフの基地としての「室」として位置付ける。といった存在。スタッフは庁内から匿名立候補の上、面接にて選定。市長直属のチームとしてもいいかも知れません。死なば諸共、みたいな感じで。

政策は事務仕事で片付けるモノではなく、現状課題と将来予測から総合的にデザインしてゆく、相当な創造力と企画力が求められるものである。それに相応しいスタッフ、場所、権限、責任さらには空間を用意し進めていくべきなんじゃないかなぁと。
実際に、SONYとかOLYMPUS、TOYOTA等の会社は、新しいコンセプトを産み出し、企業の将来を導くコンセプトスタッフ、クリエイティブルームというようなものを特別に設けていたりします。
市も約50万人抱える大企業。創造性なしに将来を生み出せるワケないですよね。

例えば庁内か市庁舎の近所にこんな「政策ディレクター室」はいかが?

現住まいに引越して早13ヶ月、とうとうリビングにカーテンが設置されました。
医者の不養生と言いますか、webデザイン事務所のweb siteがなかったり、カフェオーナーの家ではインスタントコーヒーだったり、建築デザイナーの自宅にカーテンがなかったりする訳です。
ほんと、なんということでしょう!
我が家のリビングには幅3.6M、高さ2.3Mの窓があり、かなり開放的。
引越し当初は、どうせ付けるなら良いカーテンじゃなきゃヤだからじっくり探そうと思い、
目線は遮れるけど光は通るし、半透明のポリ波板(0.6Mx1.8Mで400円)で充分として、
過ごしていました。
しかし冬到来。。。寒い!!
宇都宮の寒さを思い出させられた去年冬には、もうじっくりとカーテンを探す余裕がなくなり、
なんだかんだと13ヶ月もこれで通してしまいました。

いい加減にしないとと決心し、どんなカーテンにするかを会議。
築30年のこの家の雰囲気を考えると、白じゃない。ナチュラルっぽいのはダメ。柄物は、、、柄によるか?いや、既にコッテリしている。よし、無地だ。色は?強めの赤、ん〜とにかく深い色。肌理は?ベルベットなんかぴったり。エロすぎるか。じゃあ何か触り心地の良い、マットな感じので。
しかし職業柄、ホームセンターやカーテン屋さんにはお好みの生地がないのは明確。
ってことは、ぐっときた布を探して、それを縫ってもらおう。
ってことで宇都宮市内の生地店をタウンページで発見し、訪問しました。
いや凄い、決して広くない店内には床から天井までびっしりと生地ロールが。そこに90才近いおばあちゃんが一人。商品をかき分け、事情を話し、片っ端から気になった生地を引きずり出し、触って、光に当てて、匂いを嗅いで吟味。。。
1時間後、ようやく決定。深い緑のスゥエットっぽい生地に。即見積り、縫製依頼し、一週間後に入手とあいなりました。
beforeafter

あったかいし、落着く。。。
白熱球の照明にぴったりのやわらかい壁が出来ました。
こうなると、ちゃんとした照明器具や、他の壁面の色、家具もいじりたくなってきます。

私の事務所兼住宅から徒歩2分、「宇都宮の原宿」とかなんとか呼ばれている通り沿いになんだか強烈な空き物件を発見し、中を見せて頂きました。表通りから見ると、まごうかたなき古びた洋館。内部はこじんまりとしていながらも天井が高く、そして薄暗くって、低めのゆったりソファでぼーっとしたい雰囲気。最上階(3階)部分は、急勾配の小屋裏スペースがまた良い感じです。
これだけで充分なのに、その裏手隣には、今では珍しい大谷石+土壁の蔵が鎮座しています。

こちらも見せて頂きました。こちらはうって変わって和の雰囲気。結構広いにも関わらず、その薄暗さ、木梁の重厚さ/ツヤのせいか、どっしりと落着く感じです。収納してある、写真のような自転車、和箪笥、古鏡等がいっそう心惹かれます。

洋館の内部も、さすが老舗家具屋の家だったこともあり、収納式の流し台や、シェーカーデザインも真っ青の木製デスク、扉の金物、壁の木板ひとつひとつにこだわりを感じ得ません。

聞けば、両方とも築100年は下らない建物だとか。そしてもったいないことに、何十年も使われていないとか。セットにして飲食店でもやれば雰囲気だけで他の追従を許さない店鋪になれるはずです。そしてここの空間に負けない大人達が通い、ゆったりと過ごすようになれば、若者だけの、見た目を飾る商品を扱う通りではなく、中身のしっかりした大人達がいい感じで過ごすことのできるエリアになってくるんじゃないか、と想像できます。
どーにかならないものか。。。
いまさらながら話題の「24」を見てみました。
しかも、後半(12時間分)は、ほぼ1日で。。。
ストーリーの絡み具合とかいいのかも知れないけど、
見終わった時には、何よりも、全部見てしまったこと自体の後ろめたさが全てでした。
元々、ドラマ自体、10年位まともにみてない私にとっては
その24時間以上の喪失感が。。。

ここはどこでしょう?
上の写真だけでピンと来る方は宇都宮っ子以上の存在です。
ここは栃木県で一番地価の高いエリアのとある一角。
実は公園があるんです。
幅2m程の通路を30m進むと、南・東・西面を30mの真っ白な壁、残る北面は下写真のような荒廃した生活空間に囲まれた雑草面が現れます。御多分にもれず、1年の内ほとんど日光が当たることがありません。


唯一の出入口   と   正面(表通り)の風景   と   壁面

2001年初夏、仲間達と活動していた都市活動チーム「studio chora」(※)から発生した街づくりサロン「chora cafe」に訪れたこの地域のとある商店主より、「かつあげ公園と呼ばれている場所がある」と紹介されたことから全てが始まりました。
我々は直感的にこの空間の力強さを感じ、調査・分析を早速行い、
空間の長短問わない特徴を整理し、隣接する築50年共同ビル使用法と合わせ、
12個の計画を発表しました。

「露天風呂シアター」と「立体墓地公園」
その他、「喫煙パーク」「デキモノ公園」「バルーン」「公園屋」「とびおり公園」「だんだんハウス」「ショップユニット」「ハーフパイプ」「アトリエ公園」「W杯」等々、現実を見つめたもの、皮肉を込めたものを含め、すぐさま現実を目指すわけではないが、各々ひとクセある提案となりました。

いずれにせよ、全てに共通したのは、
都心部の真ん中に位置していながら忘れ去られていること。
日光がろくに当たらないこと。奥まって、囲まれていること。古いこと。
以上の「特徴」を知り、欠点ではなく「他にない魅力」と受止めること。
そこから生み出される「何か」に、生活者/商店主/事業者が旨味を感じ、入り込んでくること。
彼等のターゲットを生み出すきっかけを考える為の「ふっかけ」を行うこと。
もし再開発という目標があるのなら、開発前に放っとくのではなく、開発後につながる伝説を残しておくこと。もはや建物が新しくなれば儲かる時代じゃないんだから。その前にこの地区の個性をつくり出してしまうこと。この地区が経てきた歴史とステイタスを持ってすればそれは可能なことだと感じます。

もちろん、これらの提案は現実化されることなく埋もれてしまう訳なんですが、
その後、市推進機構にて公園活性プロジェクトチームが編成されてしまうんです。
続きは後程。

※studio chora site(topのみ)
http://f1.aaa.livedoor.jp/~chora/
再び東京湾クルージングに誘われ、行ってきました。
tは橋を下から見るのが好きで、橋脚好き。
というわけで今回は橋特集。

木更津の橋/横浜ベイブリッジ/東京湾横断道路/レインボーブリッジ

そして品川あたりの運河沿いに入り込みます。
水門/首都高橋脚/なんとか橋/ゆりかもめ

隅田川へも行きました。この辺は水上バスでも見れる風景です。

最後に天王州「TYハーバー」に上陸。
同乗者が、ここにクルーザーで乗り込むことがかねてよりの憧れだったらしく、
前回は男4人だったので断念したのですが
今回は家族連れだったことも有り、堂々着岸。
でもオシャレ感や料理云々よりも、温かさに感動。ビバ室内。

次回は小さめの船で、都内の川を巡ってみたいもんです。
春になったら。。。
宇都宮市美術館の企画展「デザイン・日本・亀倉雄策展」に行ってきました。

彼は、東京・札幌オリンピックポスター、NTTのロゴ、明治チョコのパッケージ
日本グラフィック協会ロゴ等々をデザインし、
日本にグラフィックデザインという一分野を確立させた張本人です。
下の世代の弟子として、田中一光や永井一正(東京電力,日清食品)がいます。
今回はその永井氏が故・亀倉氏を語るという場にも行ってきました。

作品を見て思ったことは、
1、とにかくすごく分かりやすいこと。
2、ある時期(東京オリンピック頃)から、
  がらっと日本特有のデザインってものが見えていること。
そして
3、デジタルでやるとなんだかイヤらしくなってしまう、
  「斜め」や「ずらし」をしたときに、非常に温かみのある、
  しっくりくる仕上となっていること。

だいぶ前に田中一光展を見た時はあんまりぐっと来なかったんですが
亀倉氏は良いですよ。
去る11/18、tの参加している「宇都宮まちづくり市民会議」の提案発表会がありました。
これは、市の呼びかけで総勢60名の公募委員が
「都市自治」「教育文化振興」「市民福祉」「生活環境整備」「産業振興」「都市基盤整備」
の6分科会に別れ、H19年度に出される「宇都宮市総合計画」にて主張すべき施策を
18ヶ月かけて検討していくといった感じの会です。

tは「生活環境整備」分科会の会長をなぜか任されており、
市長、役人、会議委員、公聴人達に発表を行ってきました。
我々の会は「宇都宮を日本一住みたい町にする」を目標に、主要課題を5つ挙げました。

 1、「公共交通ネットワークの充実」
    現状の効率化だけでなく街の将来を見据えた公共交通ネットワークデザインをする。
 2、「住環境・コミュニティの整備」
    個々人の思う住みやすさよった生活エリアの選択ができるようにする。特に中心市街地。
 3、「景観意識の高揚」
    景観意識の個人レベル、個人生活への浸透を図る。
 4、「環境施策の個人レベルへの浸透」
    "めんどくさい"を軽減するのではなく"それでもやる"理由/動機付けの仕掛けをする。
 5、「市民参画システムをつくる」
    施策作成/実行から評価まで、市民参画をもって街づくりを統括/遂行するシステムを作る。

ってな感じで提言し、
1〜5各々について、事業例を挙げながら説明しました。
画像は1の公共交通ネットワークデザイン概念図です。

2では都市の基礎である「住」に行政がどの部分でどのように寄与できるかの提案。
3は大谷石をキーとして景観づくりをする為のシステム提案。
4は家庭版ISOを拡める仕掛け
5は市で呼び掛けた、我々のような会で真剣に捻出された考えを本当の意味での協働のもと
施策となり、いい結果まで持っていける為には?の提案。

こういった会議で多いのは
要求型提案(行政でなんとかしろー!)と
夢想型提案(勝手にこんな計画をつくってみました)あたり。
前者は行政に期待し過ぎ。後者は行政なんかあてにならん的な態度。
要求型をだされても、行政でいちいちそんな細かいこと対処しきれない。
夢想をだされても、それに先立つものが用意できない。
かといって行政内部のみで提案されるものにはコンセプトや手法の器用さがない。
つまりtが思うに、行政方々も市民側もどっちもどっち。
「なぜその課題を重視するのか?」
「なぜその事業をしなければならないのか?」
を短期長期双方の視点から、市民に快諾されなくても(何にせよ100%は無理)
コンセプトが伝わるように考えてゆくことが必要なんじゃないでしょうか。
言葉遊び的な素敵な文句をこねくりまわすのではないコンセプト。
それには行政/市民双方の高密な検討が不可欠。
参加する市民もそれぞれのプロであることも必要。
そこで対等な検討が始めて行われるんだけど、
いかんせん行政はそれでメシくってるわけだけど、市民側の食い扶持は別。忙しい。
となると、時間のある身分の方々しか参加できなくなっちゃう。
20〜40代にはとてもじゃないけど参加できない。
でも多少なりともお金が出れば、
各世代、各業種のプロがいい感じに入り混じった市民企画となる。

市民側にも提案するなりに責任を取るべきだし、
そのためのシステムが実は今一番まちづくりに必要なトコなんじゃないかなぁと
感じる今日この頃。
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