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栃木県宇都宮市の空間プロデューサーの日々報告
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たまには、本業のコトも。

今、蕎麦店の改装の仕事が工事に入ってます。
コチラの案件、METで紹介をしていた
築60年程のこの建物

窓台のついた、上品な町型古民家です。
METコラムにて経過報告をしてます。
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ちょいと疲れたので、港町にいってきました。
いつもなら茨城県那珂湊あたりで済ますのですが、
なんとなく、というか、前日に「フラガール」を見たせいもあり、
勢いで福島県のいわき市まで足を伸ばしたんです。

この街に来るのは8年ぶりくらい。
確か、日本設計によるアクアマリンふくしま(水族館)ができたばっかりの時だったと思います。

田舎の海辺に建つ、ガラス張りの巨大ななんか。
そんな印象です。
しかししかし、なんだかんだで人がわんさか来ています。
水族館だけではなく、物産館や公園などなど、
全て行政が一体的にきれいに整備していて、
確かにデートや家族サービスでは過ごしやすいのかな。
人口も、海と常磐自動車道に繋がる大きな工業団地があり、
住んでいる人も多そうです。

ともかく、久しぶりに中へ。
あまりにもガラスだらけだし、海辺だし、
8年も経てばさぞかし塩害やらで汚くなってるんだろうと思いきや、
きれい。すっごくきれい。
新築当初と変わらない印象です。
相当マメにメンテナンスし続けないと、こうはいきません。
やはり建物を守るのは建築的技術ではなく、愛情。
なでなでしてあげてると、長持ちするんです。
ぺらっぺらの素材でごまかされた建物だとそうはいきませんけどね。

さて、魚。

こちらの見どころは、
「ゴマフアザラシ」と「オットセイ」と「トド」と「セイウチ」。
特にセイウチの夫婦は圧巻です。
ムダにでかい。。。
あと、前回来た時になんだか考えさせられたのが、大水槽(トンネル付)。
今は違うんだけど、
この大水槽が2分割されていて、
左には「暖流の魚」右は「寒流の魚」となっていました。
それらを同時に見れたんです。

「暖流の魚」は1匹1匹がばらばらに自由に泳ぎまわっています。
「寒流の魚」はイワシならイワシ、カツオならカツオと、
それぞれ群れになって秩序立って泳いでいます。
しかも決まったルートをぐるぐるぐるぐるまわっています。
さて、どちらが水槽全体を見た時にきれいでしょう?

それは、「暖流の魚」なんです。
自由に泳ぎ回っているように見えて、
水槽全体にまんべんなく拡がって、1匹1匹が同じように距離を保って泳いでいます。
「寒流の魚」は各種類の魚群をみるとまとまっているんですが
水槽全体はすっかすか。ムダなスペースが多いんです。

こう見ると、「暖流の魚」は1匹1匹の個性と言うか、
それぞれの能力にまかせて自由な活動を認めることで、
全体の均衡が保たれています。
「寒流の魚」というと、群れのリーダーがいて
他の魚達はリーダーに付いて行くことで1匹1匹の安心がうまれています。
これを会社とその社員とか、チームプレーに置き換えて考えてみると
僕は「暖流の魚」でいたいし、そういう状況をつくっていきたい。
他のメンバーの領域を尊重しながら自分の個性と責任が発揮できる。
これはやりがいがあります。
こういう会社やチームはホント少ない。
「寒流の魚」は、既にある「種族」という枠が大前提として生まれながらに存在していて、
個性や能力を発揮する為にはリーダーまで昇りつめないといけない。
とはいえ、リーダーになってしまうと、
自分の動きの乱れひとつで大きな乱れを生んでしまうので、
既成のルートからなかなか外れることができない。
日本の会社はこっちが多いと思います。

魚も大変です。。。
なんか、各国のサッカースタイルも似てます。
音楽もかな。

ちなみに現在は「暖流の水槽」ではなく、「もっと寒流の水槽」となっていて、
ゴマフアザラシやシャケなどがいます。
そりゃあ、アザラシはかわいいんですが、シャケなんかはピクリとも動かないし、
皆同じ色だし、こっそりホヤを養殖してるし。。。
残念です。

ということで、食べちゃいます。

やっぱ、港町に来たら、漁港近くの食堂に限ります。
前回は間違って近くの物産館のレストランで食べてしまって失敗したもんです。
刺身定食と海鮮丼、そしてサザエのつぼ焼きですね。カニ汁付きです。
旨い!んだけど、なんとなく。。。
そうなんです、那珂湊でもあまり変わらないんです。
釜石や松島では感動がありました。
いわきまで下ってくると、いつもの那珂湊と大差がないんですね。

来月には北関東自動車道も開通することですし、
茨城県で済ますとします。。。
そうすると、新生大洗水族館に期待したいトコです。
僕とふじぽんさんで細々と続けているMET -栃木物件案内-
その派生事項である、「住むトコ不動産」(タウン情報誌もんみやにて連載)が2008年10月号で12回目を迎えました。

METで紹介している変な物件。
その中から1件/月をピックアップ。
そしてゲストとして、県内のオピニオンリーダーというか、
何かをうみだしている人、クリエーターというか。
そしてこういう変な物件が好きそうな人。
なによりも僕が面白いな、話したいな、と思った人。
そんな方々をゲストに招き、実際に物件に行って対談してます。

誌面に載る対談文面はページの都合上、あの程度なのですが
実際はA4でみっちり6枚以上は平均で話しています。
泣く泣く編集でカットしているんです。
ページの性格上、物件の要素(特に外見)から1次的に想像できるコトに絞りに絞って掲載していますが、
なにせ雑談なので、2次、3次とどんどん話が派生してしまうんです。
盛り上がると、もう異次元です。
何がこの物件と関係ある話なのか、自分達も見失っています。
こうなるともはや読んでも伝わらない。
でも実は一番面白い内容だったりします。
あくまでその物件に触発された思考なのは確かなんです。
あくまでその物件に行って話さないと出てこない思考なのです。

直近の10月号(ゲスト:ギタリストの小川倫生さん)との対談では
ちょいとその片鱗が出ちゃってます。あれでも「ほんのちょいと」程度。

更に、その号から内容がマイナーチェンジされました。
「ふじぽん検索」と「愛でたいもの」。
「ふじぽん検索」は、ICT・webコンサルのふじぽんさんらしく、
物件から派生する、情報を仕入れるコツをちらりと紹介。
「愛でたいもの」は、僕のコーナーなのですが、
物件の内外部もしくは周辺に存在する、<路上観察物件>をご紹介。
もはや完全に趣味です。すいません。
いや、謝りません。

ともあれ12回目を迎えて、連載はどうやら続く様です。
もちろん自体もまだまだ続きます。
実際に紹介物件に住み始めた人も増えてきました。
解体の憂き目にあってしまった物件もあります(これは悲しい。。。)

建物は使われないと意味がないのは確かですが、
使われていない建物に価値がない訳ではありません。
個人的に、人に関して「全部が好き」ってことはないと思っています。
すごく魅力的な部分とか、これは許せない部分とか、
そういった多種異種要素が合わさっていち個人です。
それでそれなりにバランスが取れて生きてけてると思うんです。
建物も同じ気がしてます。
一つでも自分にとって強烈に魅力的なトコがあれば、
例え万人が好きなモノでなくても付合う価値がある。
そんな風に思ってます。
去る6月21日夏至、ユニオン通りの雑貨店padparadschaと、画材店の白木屋の共催でナイトギャラリーが開催されました。


キャンドルの炎に浮び上がるアーチストの作品達。
くっきりしたスポットライトの中で見るのとは違い、
絵画でも立体感が生まれてきてました。
さらに人が動くと、息をすると、炎が揺らめき、またまた表情を変える。
こういう見られ方を前提には造られていない作品なのだけど、
炎の中では消えてしまう作品、引立つ作品、とくっきり分かれていた印象です。


美術作品展って、作家はもちろんなのですが、
一番大切なのはキュレーター。
作家と場所とお客さんとそれらの組合せを設定する立場のひとです。
欧米では名キュレーターと呼ばれる人がいて、作家の事は知らなくても、
この人がセレクトし、設定した展示会であれば行く価値あり、ということになってます。
若手作家もこういう人がいてこそ、早いうちにこれだ、という方向性を見い出し、
実社会での反応にもまれながら育っていくのです。
ミズマさんやコヤマさん等、日本でもそういう志の方々がギャラリストとして現れてきてはいますが、
まーだまだ足りないし、地方都市ではまず成立しないでしょう。
自腹を切って、もしくは無料で、作家自身が展示会を開催するのはいいのですが、
見に来る人が結局、友人や家族では、ただの文化祭です。
見に来る人も、絵が上手だったり、大きかったり、かわいかったりで満足。

行政も、作家でなくそれを一般に届ける立場の人(=キュレーター)に対して支援してこそ、
見る人も作家も共に育っていく状況を作れるのではないでしょうか。

話は戻りますが、主宰者の2人はユニオン通りにお店を構え、
これからも居続けるであろう人達。
そして同年代。アラウンド30。いわゆるアラサーです。
ユニオン通りにはこの年代のオーナーさんがたくさんいます。
そのうちの何人かで、通りの将来に向けてもんもんと話合ったりしています。

何十年前からの生鮮3品や呉服/婦人服等の日用品、生活必需品の商店街。
それらが僕が高校生の頃には、古着屋や中古レコード屋が混じりあい、
いいバランスだった記憶があります。
今は生活商店街としての色はほとんどなく(数としては意外に残ってますが)、
同じようなお店ばっかりで、そして10代向けばっかりで、
なんだか行きづらい場所という印象かと思います。
でも、いい感じのセレクトショップがあったり、美味しい飲み屋もあったり、
そして老舗の履物屋さんがあり、八百屋さんもしっかりあります。
僕自身、ここに居を構えて2年以上になりますが、
この年代でも結構楽しいエリアです。確かに、たまに高校生達がじゃまくさい時もありますが。

栃木県内では今やNo.1とも言えるこの商店街も
中心街の空洞化や、エリアとしての方向性のなさから、将来に不安を抱えています。
とはいえこれだけのショップが、しかもチェーンでないショップが
密度濃く集まっていながらもなんとか保てている所は全国の地方都市ではまれです。
だからこそ今のうちに、20年後も現役で、責任を取らざるを得ないこの年代が
長い目でそして確実な成長に向けて検討し、行動をしないといけなくなってるんです。
今の状況では、いつコンビニやファーストフード店が出店しても文句を言えない。

個々のショップが自店の個性を伸ばしに伸ばし、お互いのお店がそのウリを知っている。
一つの気に入ったお店を発見できれば、そこから無尽蔵にネットワークが拡がり
ショップ巡りが楽しいものとなります。そうなれば、途中にカフェもできるでしょう。
自分の個性が明確な人は、人の違う個性も認めることができるんです。
そんな人達がとりあえず来るエリアになっていくように動いていければいいなぁ、
というのが個人的想いです。

ちなみに、このナイトギャラリーは冬至の日にも行われるみたいです。
バービカンセンターへ。
ここは劇場とギャラリー、集合住宅と店舗等々が一体となった再開発。
1960年代の設計です。まさにレトロモダンの塊。かっこいいっす。

コンクリートの力強い造型と、陰影、質感、そして人口照明。
レトロフューチャーとでもいいましょうか。

今のロンドンの新築ビルは、フォスターの全面ガラスビルのようなものばっかりで
あまり面白みがありません。
ずーーーっと石と木でしか建物を囲めなかったし、天気のいい日が少ないので
憧れるんだろうな、とは思うのですが、なんかそぐわないのです。
その点、30年以上前とはいえ、ここはいい。
地場を継承したモダニズムの匂いがぷんぷんです。

もひとつ僕の大好きな施設、ICAへ。
残念ながら改装工事中だった為、今回は入れませんでしたが、
ギャラリー、本屋、上映室、ライブ、カフェ、バーが一緒になった文化施設です。
留学当初、ここのカフェを見つけた時にはひとりでかなり悦にいってました。
すいてるし薄暗いし、ソファあるし、コーヒー安いし、喫煙OKだし。
映画は若干マニアックなものが多く、本屋は美術書やデザイン書。
ライブも小さいレーベルのバンドから何から、1000円で見れます。
こんな施設を宇都宮でもやりたいなぁ〜と常々思ってます。

学校のあったSOHOエリアへも行きました。
しみじみと学校を見て当時のイカれ具合を取戻したり。

ここがセントラルセントマーチン美術大学。
この校舎はファインアートとファッションコースのみ。
だからなのか、どっか変な感じの人が多かったです。
他の全てのコースは一つの大きな校舎にまとめられていて、
ここはさながら隔離病棟のようでした。もちろん出入りは自由でしたが。
近くには建築留学で有名なAAスクールとロンドン大学バートレット校があったので
何度か覗きに行かせてもらいました。とても便利な立地です。
そいうや昔、東京芸大の授業も潜って受けてたような。。。


色々と巡り、頭の中も巡らせ、
帰国以来、日本の栃木での常識/非常識、留学生活で得てきたことと、
そのなかで使えること/使えないこと、等々を見直すことが出来た気がします。
こちらでは自然にできていたモノの考え方、なんの前作業もなしで個性や独自の手法を認めてくれる状況、
栃木では理解してもらうために必要なのに後回にしてしまっていたこと、その為に帰国後の仕事のなかで封印していたこと忘れてしまったこと、知らず知らずに押えていた感覚、関係なくずっともっている考え方やり方、
などなど、再度訪れたおかげで確認できたことは大きかったと思います。
あくまで自分の中での内省としての確認なので、言葉では表現しにくいし、
直接デザイン面ですぐに目に見えてくるものではないのですが、
この先余計な後戻りをしない為にもとても重要な10日間でした。

やっぱり何年かおきには行かないといかんですね。
でも、禁煙法が施行されて、コーヒー飲みながらやビール飲みながら
タバコが吸えなくなってしまったのでとてもじゃないけど今は住めないです。。。
さて、ロンドンへ到着。寒いっ!
まだ冬です。。。
実はこの街に旅行として来たのは初めてです。
なんせ下見なしでいきなり学校に入ってしまったので。
というか、せっかく旅行で行くならスペインとかイタリアに行きたい。
旅=食事だから。

今回の旅行の目的は、
建築ツアーでも街並見学でも現代アート探訪でももちろん観光地巡りでもなく、
仲の良かった人に会ったり、良く行ってたトコロに行ったりと、
正に思い出巡りです。ワンデイバスチケットを買って巡ります。

まずは語学学校のあった高級ブチック通り、メイフェア付近。
その裏側にある、公園に毎日のように通ってました。
夏場は22時位まで明るいのに、授業は13時に終ります。ヒマだったんです。
近くのお店でサンドウィッチを買い、ぼーっと話ながら何時間も過ごしていました。
そしておもむろに歩き出し、何時間も街を歩き回ってました。
ばたばたしていた日本での社会人生活では出来なかった、自己確認の時間でした。
30才近くにもなってこんな時間が得られるのは、やっぱ贅沢なことだったと再認識。

そして住んでいた、サザークというエリア。
当時、ずーっと工事中だった建物も完成してました。設計者は、W・オルソップ。
実は、生まれて初めて買った洋書が彼の作品集でした。
模型づくりの参考にさせてもらったモンです。なんかしみじみ。。。

そこからロンドンブリッジの方へ。
途中にテートモダンがあります。入ると何時間もかかってしまうので無料ゾーンまで。

ちょっと前まで、この巨大空間をつかったこんなインスタレーションが行われてました。
内容は、床に亀裂を生じさせるというもの。
おそらく何十万人の人が亀裂に躓いたり、
亀裂沿いに知らずのうちに歩かされてしまったりしたのでしょう。
ちょっとした空間操作による、人の行動をねじ曲げる。なんか僕好みです。
写真は、その亀裂を埋める作業をしているところです。

マーケットへ。やはり市場は楽しい!
でも最近は、食材を売るというよりも、
バーガー類の食べられる状態で売る店が増えてしまいました。
それでもこんな風に魚や生ハム、チョコレートに野菜等々、色々あります。
やっぱり魚は美味しくなさそうですが。。。

こちらではコーヒーはほとんどエスプレッソのお湯割り。
手入れのドリップコーヒーが飲めるカフェがほぼありません。
留学中はあきらめて、自分で入れてました。
でもここにはハンドドリップのお店があります。うれしい。
隣にはケーキ屋さんがあり、店頭では平日昼間っからこんなおっさん達が。
混ざりたいです。

そしてテムズを渡り、イーストエンドへ。この辺は移民が多く、
ブリックレーンという通りはバングラディシュ出身者のカレー屋さんが並びます。
ケバブ屋も多く、有名な24時間営業のべーグル屋もあるし、
ちょいと歩けばベトナム料理屋さん通りもあるという、安くて美味しいエリアです。
そして現代美術のギャラリーや、古着屋さん、レコード屋もあり、
常に攻めている、少々汚いですが、僕らには嬉しいエリアです。

写真はラフトレードというレーベルのやってるレコード屋さん。
つい最近、セントラルからこちらに引越してきました。
レコード販売とカフェ、ライブなどが楽しめるお店です。

さらに北上し、エンジェルへ。
ここにあるカフェが大好きなんです。

CANDID ART TRUSTという施設の中にあるカフェなのですが、
薄暗い店内、金塗のイス、赤い壁、妖しいキャンドルスタンド、、、退廃的でなんともいい。
特に夜は堪らなく落着くお店です。
ここは、ギャラリーとオフィス、アトリエ、ショップがある施設です。
このギャラリーでは僕も展示会をしました。

続く
帰国して2年半振りにイギリスへ行ってきました。
連れの関係でGW絡みで10日間位しか滞在できませんでしたが、
たまたま格安で直行便が取れたし、充分です。

まずはロンドン、は飛び越え、スコットランドへ。
しかもエディンバラやグラスゴーではなく、
アバディーンから更に車で1時間以上北に行った村へ行きました。
連れの留学中のホストマザーが今はここに住んでいるので、会いに行った訳です。
このマザーが結構クセ者で、付合い始めた頃に呼ばれて行ったのですが
まるで面接です。質問の嵐に手伝い、ダメ出しなどなど、初回はキツかった。。。
というのも、連れのことを気に入っていて、なんとか卒業後もイギリスに引き留めたかったらしく、
理想はイギリス人のお金持ちでお酒の強い紳士。僕はひとつも当てはまりません。
なんとか何度も会いに行ってごはんを頂いている間に諦めたようですが。
ちなみに会社にいた頃は、バリバリの人事担当者だったそうです。

それにしても、どこだか全然わかりません。
外人が成田から千歳空港へ着いて、網走の方へ行った感じでしょうか。
空港を出て、行けども行けども丘と牧草と羊。
人口より羊の数の方が圧倒的に多いようです。
でもやはり羊はかわいい。

北海沿いに点在する、集落巡りへ連れて行ってくれました。

北海油田が出来たことでお金持ちの方々が増えたようですが、
それは一部のニュータウンにだけ当てはまるようで、
ほとんどの沿岸の集落は素朴な漁師町です。
なんとも雄大な風景と、こぢんまりしていいスケール感の村と建物のサイズです。
訪れるにはいい場所です。


そしてスコットランドと言えばお城。そしてネス湖。あとは汽車。
お城、行って来ました。でも休みでした。
はり紙を見ると、、、
「来場者がいないので、時間前に閉めました」との文字が。。。
なんだそりゃ。
そこには僕ら4人とわざわざカナダから見に来ていた女性が一人。
お互いブツブツと文句を言い合って、あきれ笑い。
でもこれがイギリスです。仕方ない。。。

こちらが泊まらせてもらったお家。右は隣の家です。
村は人口数百人。15分も歩けば全部制覇できますし、お店は5件のみ。
コンビニみたいなのが2件と、パブ&レストランが2件、そしてソーシャルクラブ。
ロンドン人は超多国籍だったので、違和感なく住めたのですが、
ここはさすがに異邦の地。スコットランド人しかいません。
しかも村の人全員が全員を知り尽くしています。更に誰かが観光に来る場所でもない。
非常に統制が取れていて落着いて、良い村だし、家の佇まいもなんか自然で好きです。
世界一美しい集落として有名なコッツウォルズよりも、僕はしっくりきます。
主張はないが質感が良い石の壁、厚みとツヤのある木製サッシ、
屋根から突き出たマド。どっしり感と開放感と良質さ。実直さが現れた、良い家達です。

ここには一人で住んでいるのですが、ベッドルームが3つ。
そしてキッチンとダイニング、リビングとバスルームが2つもあって、
さらに納屋、広々な庭。でかい家でした。
もちろん中古を買って、自分仕様に徐々に工事をしていったようです。
ロンドンの前の家も、自分で考えながらペンキを塗ったり、設備を更新したりして、
本当に大切に住んでいて、結局、買った時よりもいい値段で売れたようです。


こちらの人のみんながみんなそうではないとは思うのですが、
みんな住まいの演出と言うか、心遣いが上手です。

バスルームのボトル類。日本でもシティホテルとかに泊まれば見られる画像ですが、これが日常。
庭に面したベンチや鉢植え等。天気のいい日のひなたぼっこには堪らない場所です。
また、通りに面して、塀と一体となったプランタが用意してあり、
隣家との境にも一輪挿しのように。素敵っす。
皆、演出をしようとしてしているのではなく、
そうしたほうが毎日の生活が豊かになる、って思ってるだけのことなのです。
日々、ちょっとずつ手をかけていければ、暮らしって贅沢なものにできるモンです。
建物としての家は、所詮その為の舞台でしかありません。

しかし、集落っていいなぁ。国を問わず、人が真に必要としてる生活が見れる。
もっとたくさん見ていきたいです。
2泊3日お世話になり、いよいよロンドンへ。
小学校からの腐れ縁の友人の結婚式に那須の二期倶楽部に行って来ました。

腐れ縁ついでに、この友人も大学では建築学科に進み、宇都宮に戻って設計事務所に勤めています。
そして嫁さんも大学で建築学科の大学院を卒業しています。
だからというかなんというか、ここで挙式という選択になったのでしょう。
結婚式〜披露宴は真新しい<観季館>で行われました。

二期倶楽部は、以下のそうそうたる建築家/デザイナーによって設計されています。
メインビル:渡辺明、パビリオン:コンラン&パートナーズ、観季館:佐藤一郎(エイジ)

渡辺明氏は竹中工務店出身で、この二期倶楽部シリーズで数々の建築賞を受賞。
どっしりとしたモダンデザインの住宅建築のイメージがあります。
そういえば、学生の時に手伝っていた設計事務所のオフィスが
氏の設計した高級マンションでした。当時は上の階にキムタクが住んでいたようです。

コンラン&パートナーズの代表、サー・テレンス・コンランはロンドンを拠点に
世界中にその活動の幅を拡大し続けるライフスタイルデザイナー。
インテリアデザインだけでなく、家具、都市計画、飲食店を含め展開。
デザインが生活に潤いを与える、的なデザイン企業です。
ロンドンにはHABITATという超高級インテリアショップがあったのですが、
超貧乏学生の僕はとてもじゃないけど入れませんでした。。。
日本では新宿パークタワーに店舗が出来て以来、関連ショップ/レストランが数多くあります。

佐藤一郎氏はあまり知らなかったのですが、
桑沢デザイン研究所→スーパーポテト→独立という、バリバリの店舗デザイナー。
際コーポレーション、フードスコープ、BYO、スティルフーズ
などの外食企業がこぞって指名している方です。



栃木県内にありながら、宿泊はおろか見学にさえ行ってませんでした。
全くもっておろそかです。
宿泊は最低でも一人4万円。
遠出したなら、「一泊ぐらいいいかな」と思ってしまいそうですが、
ここは自宅から高速道路なしで1時間。ちょっとしたドライブの距離です。
なんともふんぎりがつきません。
そして同じ金額を払うなら老舗旅館に行きたいのが正直なトコロです。。。



結局、ばたばたしてしまい、<観季館>しか見れませんでした。
他の2館、是非ともじっくり味わいに訪れたいモンです。
そして世界遺産「日光東照宮」へ。一応。

僕自身も10年振り位に来ました。
いつでも来れるから、と思ってたらなかなか来れないもんです。
ちょっと前に京都へ行って茶室巡りをしてきたので、
この彫刻類の強烈さになかなか馴染めませんでしたが、慣れてきたら
これは全体がひとつのインテリアだな、と思いました。
参道を進み、門を抜け、急な階段を上り、更に門をくぐる。
そこからはひとつの劇場のように仕立て上げられた空間。
霧がかった空気越しに鮮やかで細かい細工の施された建物達。
その向こうに神山が控える。舞台のようです。
なんども方向と視線を変えさせられながら何度も門をくぐることで、
どんどんと神様の居場所に近付いてゆくような気分を盛上げます。
結界がたくさん用意されており、何度となく「そこを越える/破る快感」が味わえます。
眠り猫や鳴き竜などが取上げられますが、そんなことは重要でなく、
映画のようなスペクタクルな空間体験がここのスゴイ所です。
そういう意味では露地や離宮の庭園、伊勢神宮なども同じです。
非常に日本的な空間創作手法だと思います。
欧州の建物や庭園のように、バシッとキメ所を用意するんじゃなく、
さわさわと流れるように体験できる空間。好きです。

東照宮は江戸時代。秀吉からの桃山趣味で、近江大工が中心となって造られました。
時代的には桂離宮が近いし、一見対極にあるような建物ですが、
結局は両方とも、人工美の極地といえる建物です。あとは好みでしょう。

日光は東照宮ができるずーーーっと前、
古代から日本において重要な所でした。
神山としての二荒山が開山されたのが、あの比叡山の3年前なのです。
以来、東国の文化的中心として君臨し続けていました。
仏教は寺院やら仏像やら宗派の開祖となる人物が重要だったりするのですが、
日本はもともと神統。巷にあるあらゆるものが神様で、
「やおよろずの神」といわれていました。
そんな中、「山嶽信仰」である道教がしっくりと日本に伝わりました。
そして日光二荒山神社が開かれ、今に至ります。
そのふもとにある宇都宮はそういう意味では重要なポジションにあります。
目に見えない日光の神々が姿をあらわす所として、
「現宮」(うつつのみや)の名がつき、二荒山神社も開かれた訳です。

なんか、こう考えると、本来日本の中心は宇都宮と栃木なハズ。
しかしもともと生活の中に根付いていた「文化」の地ではなく、
物流に優れた土地が実際の中心地となり、それから「文化」が発生してくる。
「カンキョウとヒト」がきちんとした関係を持って生きていく上での拠り所となる「信仰」。
それが「モノとヒト」、または「ヒトとヒト」の関係が生きていくことと同義という
時代に移るにつれ、薄れてゆくのは自然の理なんだろうけど、
それがカンキョウを軽視することに繋がって、世界的な大問題となっていることを考えると
宇都宮の重要性が再び問われてくる、と思うのは拡がりすぎでしょうか。

単に、
「カンキョウとヒトとの関係がうまくいっている街」ということなんですけどね。。。
4月のことですが、昨年ニッポン観光をした人が宇都宮に来てくれました。
金曜の夜に到着し、ラム焼肉のマルゴでだらだらと飲み食い。
家の隣にこんないいお店が出来たのはうれしい限り。
落着くし旨いし、飲むときはよく使わせて頂いてます。
歩いてすぐ帰れますしね(僕だけは)。
ちなみに元はこんな感じでした。元画材屋。いい佇まいだったんですよ。
クウチャリズモの人達がやっているのですが、古い物件の扱いがホント上手です。
イギリス人なので羊の肉も食べ慣れているのですが、喜んでほおばってました。

次の日は、なにはともあれ大谷へ。
僕が個人的に世界に誇りたい空間です。
というか、世界一の空間だと思ってます。
留学中にも「僕の空間づくりの原点」ということでこの方にも何度か説明してたのですが、
言葉じゃ絶対に伝わらないので、連れていきました。
結果、大喜び。良かった。

デジカメを常に電源ONの状態にして、あっちこっち撮りまくってました。
ホント、絶妙のスケール感と劇的な光の降り方。堪らないです。
僕の一番好きな光の感じはココ。

ドコだかわかります?いや〜かっこいい。。。

そして今市で蕎麦を食べ、日光湯元の宿へ。
いつもは近いこともあり、日帰り温泉が多かったのですが、
やっぱり温泉入って、御飯食べて、温泉入って、お酒のんで、温泉入って、寝て、温泉入って、御飯食べて、温泉入って、が出来るのは幸せです。

次の日は中禅寺湖畔を散歩。
スワンに乗りたかったんですが、意外に高かったのでヤメ。
ここではスワンボートレースが開催されてるみたいです。

スタート前に、こいつらがずらーーーーっと横一線に並んでる姿。
見たい。。。

続く。
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taisei
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宇都宮のこと、栃木のこと、街のこと、ロンドンのこと、建築のこと、不動産のこと、空間のこと、身体のこと、機能のこと、美術のこと、音楽のこと、映画のこと、妄想のこと、無駄なこと、予期しない出会い/組合せのこと、なんでもないモノゴトに惹かれます。
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