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栃木県宇都宮市の空間プロデューサーの日々報告
去る11/18、tの参加している「宇都宮まちづくり市民会議」の提案発表会がありました。
これは、市の呼びかけで総勢60名の公募委員が
「都市自治」「教育文化振興」「市民福祉」「生活環境整備」「産業振興」「都市基盤整備」
の6分科会に別れ、H19年度に出される「宇都宮市総合計画」にて主張すべき施策を
18ヶ月かけて検討していくといった感じの会です。

tは「生活環境整備」分科会の会長をなぜか任されており、
市長、役人、会議委員、公聴人達に発表を行ってきました。
我々の会は「宇都宮を日本一住みたい町にする」を目標に、主要課題を5つ挙げました。

 1、「公共交通ネットワークの充実」
    現状の効率化だけでなく街の将来を見据えた公共交通ネットワークデザインをする。
 2、「住環境・コミュニティの整備」
    個々人の思う住みやすさよった生活エリアの選択ができるようにする。特に中心市街地。
 3、「景観意識の高揚」
    景観意識の個人レベル、個人生活への浸透を図る。
 4、「環境施策の個人レベルへの浸透」
    "めんどくさい"を軽減するのではなく"それでもやる"理由/動機付けの仕掛けをする。
 5、「市民参画システムをつくる」
    施策作成/実行から評価まで、市民参画をもって街づくりを統括/遂行するシステムを作る。

ってな感じで提言し、
1〜5各々について、事業例を挙げながら説明しました。
画像は1の公共交通ネットワークデザイン概念図です。

2では都市の基礎である「住」に行政がどの部分でどのように寄与できるかの提案。
3は大谷石をキーとして景観づくりをする為のシステム提案。
4は家庭版ISOを拡める仕掛け
5は市で呼び掛けた、我々のような会で真剣に捻出された考えを本当の意味での協働のもと
施策となり、いい結果まで持っていける為には?の提案。

こういった会議で多いのは
要求型提案(行政でなんとかしろー!)と
夢想型提案(勝手にこんな計画をつくってみました)あたり。
前者は行政に期待し過ぎ。後者は行政なんかあてにならん的な態度。
要求型をだされても、行政でいちいちそんな細かいこと対処しきれない。
夢想をだされても、それに先立つものが用意できない。
かといって行政内部のみで提案されるものにはコンセプトや手法の器用さがない。
つまりtが思うに、行政方々も市民側もどっちもどっち。
「なぜその課題を重視するのか?」
「なぜその事業をしなければならないのか?」
を短期長期双方の視点から、市民に快諾されなくても(何にせよ100%は無理)
コンセプトが伝わるように考えてゆくことが必要なんじゃないでしょうか。
言葉遊び的な素敵な文句をこねくりまわすのではないコンセプト。
それには行政/市民双方の高密な検討が不可欠。
参加する市民もそれぞれのプロであることも必要。
そこで対等な検討が始めて行われるんだけど、
いかんせん行政はそれでメシくってるわけだけど、市民側の食い扶持は別。忙しい。
となると、時間のある身分の方々しか参加できなくなっちゃう。
20〜40代にはとてもじゃないけど参加できない。
でも多少なりともお金が出れば、
各世代、各業種のプロがいい感じに入り混じった市民企画となる。

市民側にも提案するなりに責任を取るべきだし、
そのためのシステムが実は今一番まちづくりに必要なトコなんじゃないかなぁと
感じる今日この頃。
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学生と若手社会人が「働いてみたい理想のオフィス」を選ぶ
MYCOMオフィスアワード2006の表彰式に行ってきました。
もちろん只の傍聴人として。

OPEN-Aの馬場正尊氏と建築家の手塚貴晴氏のトークがあり、
馬場氏は「都市はどこでもオフィス」という、
確か彼が学生時代から提唱している考えの自らの実例を発表。
 馬場正尊氏コメント
 http://biz.mycom.co.jp/life/MOA/comm5.html
手塚氏は新作の「ふじようちえん」を通し、
用途のはっきりしない場の効用について話してました。

写真は、オフィスアワード2006のNo.1とNo.2

若手社員、学生の求めるオフィスとは?(アンケートより)
1)開放的な空間
全体の15%が「開放感のあるオフィス空間だから」という理由により投票しておりました。仕事上のストレスや緊張感を感じない、リラックスできるオフィス空間が求められていると考えられます。
2)アットホーム、温かみのある空間
全体の11%が「温かみのあるアットホームなオフィス空間だから」という理由により投票しておりました。社内での円滑なコミュニケーションやリラックスできる仕事空間を求めていると考えられます。
3)おしゃれな空間
全体の7%が「おしゃれなオフィス空間」という理由により投票。またこの7%のうち92%が女性の投票となっており、特に女性はプライベートのみではなく、おしゃれという要素を仕事空間にも求めていると考えられます。

ちなみに会場は、
林昌二の名作「パレスサイドビル」

初めて中に入りました。
約40年前、東京オリンピック時期完成なんて信じられません。

オフィスは会社の社会に対する態度を表す顔であり、
スタッフが能動的に動く為の舞台であり、
顧客をもてなす部屋でもある、というのが通念。
近年では、より創造的に動けるスタッフが求められるようになってはいるが、
それを受け入れるオフィス空間がほとんど見当たらないのが現状に思えます。
スタッフ同士の雑談(実はかなり重要)を引き起こす空間さえ削られている。。。
入社する側もそれを敏感に感じるようになってきているんじゃないでしょうか。
スタッフ個々が自分で選択して、作業に/考えに集中できる空間が欠けているのに
効率良く働いてくれないってグチるのはちと酷だと思います。
ちなみにtは作業は事務所ですが、
考えを進めるのは市内のカフェを内容に応じて選択しています。
「もんもん」する空間と「カリカリ」する空間は全く別種。
今年春に完成した、
表参道ヒルズに少し寄ってきました。
これは、
同潤会青山アパートを取壊した跡に
安藤忠雄の設計で出来た、商業+居住施設です。
表参道と同じ勾配で地下〜3階まで螺旋状にスロープが巡り、
そこに面して店鋪が並んでいます。
螺旋のまん中には大階段があり、
様々なイベントが行われる様です。

で、印象。
スロープの勾配、幅、お店同士の間隔もあって、
たくさんの人が混合わずにスムーズに行き来していたこと。
スロープ途中途中にある、いい感じの凹みのベンチが
必ず使用されていたこと。
駐車ロビーに、休める場所、情報コーナーがあって、
効果的に欲しい情報が目に頭に入ってくること。
この辺がうまいなと感じました。

建物としては、大吹抜けで分かるように、
商業床、つまり「お金にならないスペース」が大きい。
にも関わらずオーナーが納得してつくったこと。
それが結果的に、公共空間を建物内にきちんと引込んで
建物内まで「街路が巡っている」。
つまりは店鋪間口が引き延ばされている。
こんな作りなら、上層階や地下階の店鋪でも
商業価値が変わらない。
賃料を下げずに貸すことができるんでしょう。

店鋪内装や建物のディテールよりも、
上記のような「大きな話」、
つまり建物のプログラムというか、コンセプトというか
それらが分かりやすいし、結果が出てるように感じました。

どこでも使える大きな話の良い例です。

写真は地下駐車場。
機械式なので、相応の待ち時間があるんですが、
その間座れたり、館内の情報を手にとれる場所を用意してます。
結構快適でした。
とある方に誘われ、
東京湾クルージングに行きました。

舞浜→羽田沖→川崎→大黒埠頭→横浜MM21
→海ほたる→木更津→お台場→天王州→葛西
と、巡りに巡って10時間。
普段は見ることのできない、
コンテナ港や工業地帯を見れたのは楽しかった。

で、印象。
都市は、水側から見ると汚い。
 特にTDL、豊洲。
高層マンションは都市の景観/スカイラインを著しく壊す。
 特に横浜MM21、お台場、隅田川河口。
橋はやっぱり下からみると良い。
 東京は水の都。橋だらけ。楽しいです。
海ほたるは恐い。
 突然ぽっこりと巨大施設が。異様です。

近年では天王洲のように水側をメリットと
考えた開発がされてきているけど、
まーだまだ利用されていないし、価値がある。
しかし高層マンションのように、
水を眺めるという意識のつくりというのは
水を触れる、親しむという意識とは根本的に違っていて、
決して水側から眺められた時の良さに反映されない。
昼間は特に顕著。
水側から見る人なんて少ないから
どうでもいいのかも知れないけど、
開発時の意識の「澱」が水側に溢れ出ていて、
それが結果的に水を汚している気がしました。

なんだかんだで海の幸は美味しかったです。
木更津港にある網焼き屋さんで頂きました。

しかし、移動中はもう寒くて寒くて、
かといってトイレは狭くて揺れるので打撲するし。
室内にいると酔うし。結構過酷でした。
次は暖かくなったら連れていってもらいます。
この週末は、那珂川市(元湯津上村)にある水族館へ。
2001年に古市徹雄都市建築研究所設計にて完成した建物です。
ガラス、プロフィリットグラス、コンクリート、鉄、木、水を
ふんだんに用いて、那珂川河川敷に
広大なランドスケープを形成しています。

一点透視図的なアプローチを上り、
ガラス屋根のコリドールから水族館へ。
受付の脇の水槽には、色とりどりの熱帯魚が出迎えます。
しかし中の展示物は、
那珂川河川域に生息する淡水魚が主体。
つまりは、地味なんです。
希少種のタナゴ(小さい!)や
ドジョウ、アユ、オイカワ、コイ等々。。。
しかしその先の、
国内最大級のチューブ型トンネルには、
アマゾン流域の魚達が。
ピラルクーなんて、2M位。でかい。
600円でなかなか楽しめる水族館です。

建物廻りにはスロープが巡っていて、
屋上のベンチから、那珂川や公園、山々が眺められます。
川を引込んだ浅い水場もあり、
夏場はけっこう無料で楽しめそうです。

http://www.aqua.pref.tochigi.jp/
最近、地方都市での都心部生活について調べてます。
t自身が都心部に住んでいることもあるんですが
東京都区内に住んでいた時とは
なにか違いがありそうな気がしてるからです。
そして宇都宮都心部には空き物件が大量にある。
即入居できるものはもちろん、
ペンキでも塗りたくっちゃえばイケるもの、
設備面を入替えれば入居できるものまで
入れればそれこそ物件だらけ。

今回は、都心部をぶらぶら歩いているとたまに見かける、
屋上から緑がこぼれている住まい。
宇都宮の都心部には3-4階建てのビルが多くて、
古いのは1、2階を店鋪、3階以上をオーナー住居に
してたものを多く見かけます。
バブル期では、すべてオフィステナントなビルも。
今ではオーナー自身の住居は郊外の一軒家となり、
オフィスも郊外の自社ビルが増えていて、
特に3階以上がかなり空いてることが多いです。
写真は、ビルオーナーさんが今だに生活をしているビルの
最上階/屋上のもの。
やりたい放題ガーデニングしてます。快適そう。
たくさんのビルを調べてみると、
最上階にはペントハウスがあり、
けっこう広いバルコニーが付いてます。
室内は1-2人暮しでちょうど良い規模の面積。
眺めがいいし、静か。
飲んでも歩いて帰れるし、
買物も近所を歩けば済んでしまう。
1フロア1世帯なので、周りも気にならない。
自然を味わいたければ、車で20分も走れば大自然だし。

こんな感じの住まいで、空いているものが
貸出されもせずに結構埋もれてるんじゃないかと思うと
かなりもったいない気がします。
秋晴れの休日、14年ぶりに宇都宮動物園に行ってきました。
そーいえば自分の住んでる街に動物園があるって
結構すごいことだなと思います。

で、現地へ。
いやーいいです、空いてて。
駐車場の謎のロボット脇に車をとめ、
入口を通り、マス釣堀(夏はプール。。。)を脇目に
売店をすり抜けると動物園に。
ベンガルトラとライオンが隣り合ったオリ。
なっかなかスリリング。
日本ザル、ゾウ、キリン、ペンギンはしっかりいるし、
ハリネズミ、カバ、チンパンジーも。

そして遊園地コーナーへ。ここはすごい。
動物の写真よりもここの写真ばかり紹介してしまいます。
この汽車は1mごとに回転して折り返します。
観覧車のすごく小さい版は1才児以上は入れない。
そしてウルトラマンダレ。
今ではデパートの屋上から消えてしまった、
愛くるしい遊具達が大人心をくすぐります。

そういえば、tが今までで一番恐かった
お化け屋敷がここにあったのですが、
なくなってました。
真っ暗すぎて何も見えない迷路を
行けども行けども何もでてこない。
いつ来るかいつ来るか、
ずっとそんな風にビクビクしてると出口に着いてしまう
そんなお化け屋敷。
本当に今だにNo.1です。

この動物園、ナイトツアーをやってるらしいので
後日行ってみたいもんです。
先日、市内のとある専門学校にて授業をしてきました。
なぜか、「製菓科」。
来年から、パティシエ/パン職人として
社会に出てゆく人達が相手です。
事務局長さんに聞いてみたら、
どうやら「空間デザイン」という授業枠があるらしく、
そこをお願いしたいと。
前任者は、自分のお店づくりシミュレーションをしていたらしい。

tは甘いものは大好きだけど専門的なことは分からないし、
生徒達も社会にでる前の漠然とした時期では
「自分の」店づくりも、遊びで終わってしまうだろうと思い、
ここはひとつ、「ものづくり」という共通点、
それを個々人が見直せるような時間にすることに。

課題は2つ。
1、「私のお菓子」
2、「特定条件のお菓子」

1は、「私」を語る、皆に知ってもらう為のお菓子。
言葉を使わずとも、見て味わえば伝わるお菓子を考え、プレゼン。
2は、「いつ」「誰が」「どこで」使うお菓子かを
ランダムに設定し、相応しいお菓子を考え、プレゼン。

1では、自己確認の難しさとその「モノ化」に皆四苦八苦。
2では、無茶な状況を想像するところで四苦八苦。
合わせて、プレゼンの不馴れさに四苦八苦。
1よりも2の方が比較的スムーズに「モノ化」してました。
1の落とし穴は、見た目や作者の好みに走ってしまうこと。
2では、状況に相応しいのではなく、
その状況を「表す」お菓子を考えてしまうこと。
tの狙いは、2の中に、1がどれだけ反映できるかを知ること。

状況をどれだけ深く読込み、
そこで本当に必要とされていることを想像し、
「私」のできる、「私」にしか出来ない答えを出すこと。
他の人でも全く同じ答えが出せるような考え方/モノでは、
わざわざ「私」が考え、作る社会的意味がない。
ものづくりをする「私」の存在意義さえない。
というようなことを、自分に言い聞かせながら話してきました。

なかなか楽しかったです。
先生/生徒というよりも、
ものづくりをする仲間という気持ちでできたし。
帰りにたくさんお菓子/パンを頂けたし。
無事終了しました。

来場してくれた80名!の方々
会場利用を快く承諾してくれた方
あたたかい目で見守ってくれた近隣の方々
1から会場作りをしてくれた方々
美味しいドリンク&フードを出してくれたcafe keica
刺激的な体験/情報を与えてくれた、角田氏+吉里氏+青柳君
本当にありがとうございました!

当日は
art into lifeを運営する青柳君による狂気の音に始まり、
角田俊也氏によるタンブーラを共振させるパフォーマンス
東京R不動産を運営する吉里裕也氏によるリノベーション事例紹介
休憩を挟み、
角田氏による、振動源(スピーカー)を会場の壁に無数に仕掛け、
共振させるパフォーマンス
吉里氏にtが絡みつつ、県内でも通用する普遍的な手法を
事例を示しながら模索
最後に再び青柳君による狂気のDJ
といった流れになりました。

その時その場所でしかできない空間体験を。
そして各自の日常に持ち帰った時に反映できる刺激を。
そこから徐々にではあるが着実に育つものを大切にしたい。
街づくりではなく、確実な人と場づくり。
そこから街は自発的に。

なによりもなによりも、
実行委員であるt自身が一番楽しめた出来事でした。

さて、次回は、、、
この芽に適度な栄養を注ぎます。
魚市場に行くついでに、
水戸市の隣、勝田駅近くにある
「サザコーヒー本店」
に行ってきました。

このお店、
1969年 勝田駅前にて喫茶業開始
現在、JR品川駅にも出店
とあります。
調べてみると、茨城県庁、商工会議所にも出店。
地元を大切にしつつ、受入れられ、
それがさらに広く派生しつつあるようです。

お店の雰囲気は写真の通り。
勝田駅前の少々雑多で通過交通の多い立地。
店構えは柔らかな壁と植栽越しに手前の雑貨類が見え、
店内に入り、雑貨棚を抜けると
静かで広々とした木小屋組の喫茶スペース。
大ガラスサッシを開放しっぱなしで、
写真下段の庭席に繋がっています。
お客のほとんどが女性客でした。
男一人じゃ厳しいかな。。。

tはサザオリジナルブレンドを
連れはフレンチロースト注文。
tは苦みと甘みが好きで、酸味が苦手なので、
普段はフレンチを好むのですが
ここのブレンドは美味しい。
深いんだけど、苦みが前面でなく、丸い。
フレンチも、深くて丸い。

店内の雰囲気と合わせて、
なっかなか良いコーヒーを作ってることを
爽やかに感じることができました。

http://www.saza.co.jp/
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